昨日、半導体大手6社の決算説明会が一通り終わり。一段落。久しぶりの定時退社です。 さて、東陽テクニカについて、詳しくコメントします。 *基本的には製品を輸入するために市場を創造し、顧客を教育・啓蒙。そのまま輸入して 顧客に売るのではなく付加価値を付けて販売。独自の分野を手がけることをモットーに市場 を開拓。成約高は93年度通期の約180億円(貿易部門約75億円。エレクトニクス約部門約105億円) を底に回復、95年10月から96年3月の6ヶ月の成約高は約150億円(貿易部門約60億円。 エレクトロニクス部門約90億円)とで全社ベースで、26.6%増加。貿易部門は主として韓国へ日本製品 の輸出で横這い。 *エレクトロニクス部門ではスニッファーとプローブ顕微鏡が大幅伸長。通常LANは異なるメーカー の機器から構成されるが、そのためメーカーからのサポートを受けにくい。そのため、 ネットワークをサポート、分析するLAN障害探索ツールが必要。このための機器として、 米国市場にヒューレッドパッカードと市場を2分するネットワークプロトコルアナライザーの デファクトスタンダード(アメリカでのシェアは50%)である「スニッファー」 (ネットワーク・ジェネラル社製)と呼ばれる商品がある。当社はこれを日本で唯一の輸入代理店。 プログラムの日本語化を行なって付加価値を付けて販売。LAN導入企業だけでなく、大手電機 メーカー系のLANサポート向けにも販売。この4月1日にネットワークジェネラル社(NASDAQ公 開。92年売上63.1百万$。93年86.5。94年114.9。95年139.8。)と正式にパートナーシップ契約を 締結、事実上の代理店から正式な代理店となった。この7月からはユーザーのサポートや開拓 を目的に今下期には有料のシステム・マネジメント・セミナー「スニッファー・ユニバーシティ」を 開講。この手のセミナー事業の売上も1千万円を超えてきている。将来の重要な収入源のひとつ。 「スニッファー」が好調でLAN関連の売上高は前年同期比91%の伸びとなり、50億円を超えた模様。 スニッファーの国内のシェアは推定で6〜7割。1セット平均約250万円だが、現在キャンペーン価格 で安く販売している。現在までの累計販売台数は、約6、000台だが、今通期だけで約3、000台の売上 を見込む。約20億円前後の売上高を挙げたプローブ顕微鏡は前年同期比89%伸びた。 単価は0.15〜1億円で、競合はセイコー電子で、当社とセイコーでシェア9割を占め寡占化。 当初は、コンパクトディスクなどの表面の凹凸を見るため光メディアメーカーなどで使われてきたが、 最近では大手半導体メーカーなどで半導体のエピタキシャル成長などを観測するなどウェハーの表面を見るた めにも使われている。基礎研究での使用が中心であるため、半導体市況よりも企業の研究開発費の 動向に左右される。 *米国で急成長のATRIA社のソフトウェア開発ツールの販売に注力。LANをベースにした クライアントサーバー環境での開発の増大によりソフトウェア開発のサイズの増大化と複雑化しているにも かかわらずソフトウェア開発の現状は依然として手作業。ソフトウェア開発現場では不完全な設計仕 様書、プログラミングにおける記述ミス、開発に必要な情報の共有化困難などが様々な問題が山積。当社 はこれらの問題を解決しソフトウェアを効率良く開発するためのツールを提供。当社では導入のサポート、 日本語化、トレーニング、セミナー、コンサルティングを手掛ける。現在日本の大手企業からの引き 合いが増えているATRIA社(94年NASDAQ公開。チッカーシンボル,ATSW)のClearCaseが有望。売上は まだ国内では約2億円程度だが、アメリカでATRIA社の売上高は1992年$2.1M、1993年$9.3M、 1994年$20.8M、1995年$40.1Mと急成長。アメリカにおいてこのタイプのソフトウェア開発ツールを販売 しているのは、ATRIA社のみといっても過言ではない。 大手證券の野村、大和が注目しているようです。ご参考まで。