#2-15 PC需要鈍化


PCの需要鈍化が、あちこちに影響を与えだした。日本電産の下落は大手顧客であるアメリカの某HDDメーカーS社の生産調整の影響を懸念して起こった。幸い、S社はMRヘッドを外部であまり調達してない。一時、この影響が株式市場において、TDK等MRヘッドメーカーの調整に繋がったが、TDKの決算を見る限り、足下は順調な模様(未だ取材してないが・・・)。TDKには先に調整した分、下値はかたそうである。
ただ、ハイテク産業の悲しいところは、成長分野となると、需要を上回る生産能力が生まれて、需給バランスが崩れてしまうというサイクルを繰り返していることである。16MDRAMは現実に起きてしまっているが、TFT液晶、MRヘッドにもその懸念はある。特に、液晶は、DRAMと違って、パネルサイズが大型化する中で、収益性が悪化する悲しさがある。液晶の先行きに大変、懸念を持っているが、それを表しているのがシャープの株価下落、ホシデンの急落であろう。
このようなビジネスの中で、先行者利潤を追求するのか、後発で利益を得るのかが、話題になっている。マイクロンテクノロジーの16MDRAMでの成功が、きっかけである。しかし、マイクロンは生産能力の拡充が後発だったというだけで、コストダウン面では、日本、韓国の先を行っている。後発で稼ぐにも、それなりの強みが必要である。それにしても、今回のマイクロンの仕掛けのタイミングはうまかった。この下期も半導体メーカーはマイクロンに振り回される懸念が出てきた。しかも、PC需要は鈍化してきている。



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