#64 日立の誇る最新鋭原子炉ABWRの安全性に疑問@


あけましておめでとうございます。
昨年2月22日、世界初の「改良型沸騰水炉」を採用した柏崎刈羽原発6号機が重大トラブル!
東電柏崎刈羽原発6号炉(改良型沸騰水炉、135.6万キロワット)が2度に渡って停止する事故が 起きた。同原子炉は改良型加圧水炉として初めての実用炉として、本年1月19日から試験運転を 開始していたものである。
22日午後9時半頃、再循環ポンプ10台のうち1台がポンプの回転数を調整する電源装置のトラブル により停止し、出力低下が起きた。東電は電源装置の制御回路のプリント基板C1の異常と判断し、 予備の制御回路C2に切り替えて午後11時53分にポンプを再起動。その後、C1のプリント基板を交 換して翌23日午前8時25分にC1の復旧を試みたが、まもなく同じポンプが停止。このため午前8時 35分から原子炉の停止操作を開始し、午前11時過ぎに原子炉は停止した。
今回の事故と「改良型」の問題点
@ポンプの再起動
 再循環ポンプが停止した後も原子炉を直ちに停止せずに、予備の制御回路に切り替えてポンプ を再起動する操作を行なった。再循環ポンプを再起動させることにより、局所的な出力の上下が 発生する出力振動現象が発生する危険性があることが知られている。この結果、部分的(あるい は場合によっては炉心全体)に出力が増大し熱除去に失敗して燃料帽を損傷させる可能性がある。 その破損が大規模であればメルトダウンする危険性すらある。燃料の被覆管に穴が空けば、特に 沸騰水型では即環境中への放射能放出につながるものである。
Aインターナルポンプの潜在的危険性
「改良型」は、圧力容器内に回転翼を入れており、これが最大の特徴の一つとなっている。しか し、ポンプの破壊などが起こった場合には炉心の損傷に直接結びつき、また地震などによってポ ンプが脱落するなどの可能性が否定できず、未完成の技術であり、信頼性が低い。
B構造の簡略化
「改良型」では、格納容器(コンクリート製)の耐性の低下、緊急炉心冷却装置(ECCS)の簡略 化など、経済性を優先して安全性を軽視している。プラント全体としても信頼性が低く、この6号 炉で実験をおこなっているとすら言える。柏崎が危険な原子力技術の実験場となっているのである。 なお、本原発ではMOX燃料(プルトニウムとウランの混合酸化燃料)の使用が計画されているが、 プルトニウムを使うことで経済的に高くつくばかりでなく、原子炉の安全余裕を減らす、きわめて 危険な計画である。
#65に続く。



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