#40 商工ファンド


  日本サッカーが世界ランキング20位に・・・万歳!万歳!
  今日は少し長いです。

  非効率でハイリスクな中小企業金融業界に、独自のシステムを持ち込み、急成長している
商工ファンドの大島社長の話を聞く機会がありました。先日、発表された今中間期の経常利
益は、当初計画の60億円に対し、公募費用15億円を一括処理した上で、さらに5億円上
乗せの約65億円となり、通期も160億円の計画から170億円に上方修正されて絶好調
です。スリーハンドレッド計画(資本金100億円、経常利益100億円、店舗100億円)
も前倒しでクリアし、2000年には自己資本1000億円、保証人ローン2000億、経
常利益300億円を目指し第2の成長期に突入?
  現在、日栄と当社で中小企業金融の5兆円とも言われマーケットシェアの10%を押さえ
ていますが、サラ金6社のシェアは10%を越えてから5年でシェアの60%を押さえ寡占
化が完成したという事例があります。大島社長は同じ事が、当業界でも起こると考え、今後、
毎年50店の出店を行い、今後10年間でシェア20%、融資残1兆円を狙っていくそうで
す。これは10年間、社長の下で働いた社員が、有能な管理職に育ってきていることもあっ
て、出店のスピードアップができているためとか。「3年前、私が死んだら会社は危なかっ
たが、今はなんとかなるという自信がある。それだけブレーンが育ってきている。」また、
対銀行との交渉力では中小企業金融業界においてNo.1。ノンバンクからの借入は、4年前の
約7割だったが、今や実質100%銀行からの調達です。
<当社のシステム>
@融資及び審査:2〜3日で審査を行い、融資希望額の一部を貸付け、融資後1週間でさら
に綿密な審査を行い、追加の融資を行います。融資から回収までは同じ営業マンが行うとこ
ろが日栄と違うところです。リスクを押さえるため、1件に付き平均貸付が390万と小口
融資に特化したり、サラ金利用経験のない保証人を複数立てさせます。そのため中小企業金
融業界とサラ金のブラックリストを使用してます。リピーターは全体の4割だそうです。
A回収:当月85%、翌月90%、翌々月95%をめどに回収。日栄は3ヶ月目に一度全額
返済させる方式をとってます。訴訟対象債権は9割方回収可能債権で、訴訟は債権回収手続
きの1過程に過ぎません。ちなみに前期の訴訟延べ件数は923件であり、某大手サラ金の
年間25000件に比べればたいしたことはありません。金額も前期わずか17億円で、訴
訟状を全社員が簡単に作成できることは、回収の大きな武器となってます。また保証人が、
サラ金に手を出したり、転職した時は、事故とみなして保証人を差し替えさせます。また、
担保物件に他社の抵当権が設定された時点でも、別の担保を要求したり回収に乗り出すなど
リスクには敏感な会社です。その甲斐あって、貸倒償却は2%以内です。

  一番、話の中で好感が持てたのは、会社を自分の子供に譲らないと明言し、世の世襲制を
批判した点です。私よりも一つ上くらいの若造(創業者の孫)が取締役に就任し、その会社
の利益の大半を稼ぐ部門の責任者となっている関西の大企業もあります。この会社は私が注
目している会社でもあり、社員の志気などに影響がなければいいけれどもと懸念している次
第です。社長の椅子が、創業者とか学歴で限定されている会社にあまり未来は感じませんね。  
  
  孫さんと大島さん、ともに注目すべき若手経営者です。


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