#37 Kipp Bedard氏(マイクロンテク広報担当)のお話


マイクロンテクノロジー〜DRAM業界の問題児
  
・16Mは1ウェハから400個とる第4世代で、8ドルでも利益が出るローコスト経営を行っており、
当社が価格破壊によるシェア拡大策にでるようなことがあれば、市況はさらに混乱するかも。
Kipp  Bedard氏(広報担当)のお話
<半導体市況について>
・僅か9ヶ月で、80%の価格下落。
・7月に入ってから需要が増えてきている(PCも7月に入り出荷増)。
・シリコンサイクルボトムで見られる2つの兆候@需要が増える。A設備投資が減少する。
・第4四半期には、需給がバランスする。
・DRAMの在庫は、2〜3ヶ月・97年下期から回復。
・4Mは年末まで、16Mは来年前半まで軟調に推移する可能性がある。
・2〜3年先には需給がタイトになる。
・ポリシリコンの価格は需給関係を考えるとやや低下しよう。
<当社の強み>
・昨年秋口には当社は既に設備投資を絞っていた。これは顧客とのコンタクトが密であるためである。
社長が顧客と頻繁に接触、16Mシンクロナスへの移行を遅らせたのも顧客の動向を勘案した結果である。
・コスト削減は、DRAM業界の平均が年間30%であるのに対して、50%。
・他社に比べて、原価は30%低い。
@立地条件が良く、地価、労働コストが安い。
A電力費が10分の1。
B水処理用の水は井戸から大量に汲み上げるためほとんどコストがかからない。
C製造工程の短縮化。マスク工程が他社に比べて少なく、他社に比べて40%少ない。マスクステップ1回
1ウェハーにつき70〜80ドル。年内に16Mのマスクステップを12回に減らす予定。
マスクステップ数4M16M64M
マイクロンテクノロジー11回13回16回
他社18〜20回22〜24回25〜30回
Dチップサイズが小さい。今後年3回のチップシュリンクを行う予定。通常当社は年に1〜2回のチップ シュリンク。他社は18ヶ月に1回。 Eチップはポリシリコン層とメタル層を使うが、メタル層はコストが高い。当社では、メタル層を一層だ けしか使わない。 F4M、16M、64Mを同一ラインで製造できる。I線で0.1ミクロンで対応できる。 <FEDの試作品を日本のカムコーダーメーカーにサンプル出荷> ・DRAM製造ラインで、プロダクトしたFED(フィールド エミッション ディスプレイ)を日本の カムコーダーメーカーにサンプル出荷している。このFEDとは、液晶の10分の1の電力で、製造コス トも液晶に比べると安く、3ミリ程度まで薄くできるというもので、アメリカやフランスで研究開発が進 められてきた。日本では、双葉電子が白黒のパネルを試作している程度である。この話が事実ならば、液 晶メーカーにとっては、目覚めの良い話ではない。

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