Mail#125 一目均衡表について


 現在の株式市場で、ボトムアップ型のリサーチで相場に勝つ自信は、正直言ってない。 今は、完全に80%チャートに依存しているようなところがある。
 80年代に、売りの虎禅として名を馳せた相場師・吉田 虎禅氏は、相場判断の際の罫線の ウェイトは4割と言っておられた記憶がある。
 足元はどうか、今年は、銀行側からの持ち株放出が、遅れている。今年度計画3兆1千億円のうち 、まだ9千億円だ。取材でも、必ず、銀行との株の解け合いの進捗動向は如何ですかと聞かずには いられない。ディーラーも歴史のある大企業の売り板は厚いとこぼしている。さすがに、この水準では 売り板も少ないらしいが、また戻れば、売り板が厚くなるだろう。NECソフトが上場後、2倍となった ファンダメンタルから見て、2倍まで買われた点には、違和感があるが、持ち合い解消懸念が皆無と なれば、合点がいく。逆が、紙パ。従来、紙パは、需給が締まるたびに増産をし、市況が崩し、自分で自分の 首を締めるという(DRAMもそうだったが)経営を行ってきたが、今回は市況逼迫にもかかわらず、積極的 な投資を行わないという姿勢を保っている。マネジメントに変化が見られる上、ファンダメンタルは良くなって いるのにもかかわらず、株価は急落している。株式の需給が悪いのである。源泉分離課税の廃止により 古い個人投資家が売っている可能性もある。なぜなら、自分の買値コストが正確に分からないからである。 買いコストが分からなければ、必要以上の税金を払う可能性が出てくるからである。
 今は、完全なる需給相場である。とにかく歴史のある会社は駄目なのである。伝説のトレーダー・ギャンは、 歴史ある会社に投資せよと言っている。もちろん、長期的保有目的者には、絶好の買い場をこの先6ヶ月は提示 してくれるだろう。しかし、期間(TERM)投資家にとっては、大底での投資は必要ない。一番効率の良い投資は、 上昇波動の2波目と言われているからである。つまり2番底確認後で、十分なのである。
 今は、需給を読むための海図(チャート)なしには海(株式市場)を航海できない。早く、こういう状況が 解消されることを願う。私の投資判断に欠かせない一目均衡表については、このサイトでは何度か触れたが、実は基本的な話をしていないという指摘を ウェッブマスターであるボブべっくさんから頂いたので、遅れ馳せながら、簡単に解説する。
 我が国が誇るチャートの巨人・一目山人の考案による一目均衡表は、永年のシミュレーションの結果得たという波動形成の基本数値と、 これをもとに算出した変化日を予測するための対等数値をベースに作られている。基本数値は9,17,26,33,52,63・・・ と続き、対等数値は 17,25,34,50・・・ である。 このところ機関投資家にも、そして一部外人投資家にも注目されている。 チャートの基本は、基準線、転換線、遅行スパンと先行スパンだ。

@基準線とは過去26日間の高値と安値の中間値の線
 〜重要なのは、方向性と転換線や株価との位置
A転換線とは過去9日間の高値と安値の中間値の線
 〜基準線を下から上に抜いた時、好転といい、相場の好転を示唆。逆の場合は逆転という。
B遅行線は当日終値を26日さかのぼってプロットした線。
 〜私の経験では、以外と重要。株価や先行スパンとの位置が相場の先行きを暗示
C先行スパンは二つある。「基準線と転換線の中点を26日先行させたもの」と「過去52日間の高値と安値の中間値を26日先行させたもの」である。 この二つの先行スパンの間を塗りつぶして雲(あるいは抵抗帯)と呼ぶ。
 〜その名の通りであり、株価の動きを遮る価格帯である。
 見た目も作り方も複雑であり、チャートリーディングは容易ではない。日本でマスターしている人は数人程度しかいないと言われている。 私は、ベクター (http://www.vector.co.jp)で入手した山岸永幸(やまぎしながゆき)氏作成の一目均衡表ソフトを3、500円で購入し、 佐々木英信(日興ソロモンスミスバーニーの著名テクニカルアナリスト)著作の 「一目均衡表の研究」(投資レーダー刊:3、495*1.05円)を片手に修行中である。(私個人は、一目均衡表と米国の著名トレーダーの 時間理論も採り入れている。良く市場関係者が使うグランビル(←相場下手だったとの噂)の移動平均法は百害あって一利なしと思っており、 全く使っていない。)




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