mail#116 930803


景気は、底入れしてから2年以上経過してなお回復の力強さを欠き、 不安定なジクザグを繰り返している。これまでの回復期には、底入れ後の 実質経済成長率が年平均5−6%とV字型の上昇を示してきたが、今回は その半分と弱弱しい。回復パターンが狂ったのは、経済が構造変化を迫られ、 @企業や家計の債務(デッド)A産業のダウンサイジング B財政赤字(デフィシット) C国防産業合理化(ディフェンス)の4つのDが重くのしかかっているためだ。 構造調整はなお進行中で、景気は従来の道筋とは違う「異例の回復」の様相を鮮明にしてきた。
今回の景気は、「約30年振りの低金利なのに銀行融資が低迷」「企業業績改善にもかかわらず雇用が増えない 」など、過去の回復期にはなかった特徴がある。(中略)この異例の回復を、エコノミストは「バランス シート不況」、「生産性主導の回復」、「雇用なき繁栄」などと説明する。80年代、企業は買収ブーム 、個人は消費ブームで負債漬けに陥った。そこへ不動産不況が襲い、資産が目減りし、バランスシート が急速に悪化した。住宅ローン借り換えなど、低金利を利用した金利負担減らしは除除に進んでいるが、 負債水準は依然高い、企業も個人も投資や消費を鈍らせている。(後略)
 これは、93年8月3日付け日経新聞掲載の米国経済関する記事である。 今の日本と重なる部分が多いと感じたので、ここに載せた。この後、NYダウは年末まで上昇したが、 翌年は、3000ドル後半でもみ合いとなった。95年以降の急騰は、周知のことと思う。
 さて、日本の今後は・・・・・・???



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