Mail#112 銀行


 一目均衡表の型譜に5陽連という型がある。底値付近で示現すると、強い買いシグナルとなる。 実は東証銀行株指数で、7月31日から8月4日かけて、この型が現れた。この型は、寄り付きよりも終値が高い日足(陽線という)が価格を切り上げながら5日間続く型である。今年3月6日から3月10日にも現れている。この時は、翌日(3月13日)の寄付きから4月5日の高値まで、指数で9.7%の上昇となった。ただ、この時、三和銀行を買うと高値掴みとなっており、 みずほグループもさほどとれなかった。この時は、さくら、住友が4大グループでは効率が良かった。13日には転換線が基準線を上回り、好転となり、23日には遅行線が株価を上回り、28日には基準線も上向きに転じ、31日には抵抗帯(雲)を抜け、非常に強い形となった。しかし、4月3日には、遅行線が抵抗帯に突入。上値は重くなる。結局、遅行線が抵抗帯に押し戻される形で5日の高値を天井に、80日間に渡る下落相場に突入。その間、日銀ゼロ解除問題、大手ゼネコン破綻説、そごう問題が噴出した。さて、今回は8月10日の好転。ただ肝心の基準線の方向はまだ下向きである。抵抗帯が右肩下がりに垂れ込めており、遅行線も株価を上回る勢いを感じさせない。ただ、ここに来て外人買いが入ってきており非常に気になる。大手証券のレポートでも、バリューエーション面では割安としながらも、持合解消の動き等を材料に弱気の判断である。非常に悩ましい。9月末には、富士、興銀、一勧が上場廃止となる。3行で東証株価指数の1.7%を占めるが、みずほファイナンシャル上場するまでの数日間、空白となる。日経平均株価も入替えが必要となる。来月のSQは、ゼロ金利解除と日経平均の銘柄入替えに伴い、かなりの裁定解消が予想される。銀行株を凝視しなければならない日々が続きそうである。もっとも機関投資家がアンダーウェイトしているからだ。
一方、オーバーウェイトしている電機株の先行きは暗い。すでに、電機株は、バリュエーション上、魅力的な水準に来ているにもかかわらずである。昨年のY2Kの対応に緊急避難的金融緩和措置の副産物とも言えるITバブルに踊った機関投資家は、これから本格的に、バブルの敗戦処理に追われそうである。ここにきて、ノキア、エリクソン、モトローラの生産調整も電子部品業界に受注鈍化となって現れている。一方、昨年、なかずとばずだったHDD関連が、データセンター事業、ASP事業、I−Mode、WAP対応のサーバー需要の拡大見こみから注目を浴びそうである。



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