アナリストにとって一番気になるが情報として手に入りにくいもののひとつに
人的投資がある。設備投資は、公表資料等で、外からもROIなどを推測できる。
企業を分析する際、一番重要なのは、経営陣の資質となるが、その次に重要なも
のは、企業を動かす人的資源である。これは、なかなか手に入れにくい情報のひ
とつである。ただ、経験的に言えば、優良企業と言われている会社の社員は、安
月給で良く働く。そういう仕掛けを作っているケースが多い。さらに社員の流動
性(離職率)も高い。企業は、発展ステージによって必要な人材が変わる。高い
人員流動性も優良企業の条件なのかもしれない。 これからは個々人の能力の優劣ではなく、適合不適合が重要となる。やはり、 年金制度など人材の流動化を阻む要因の除去は、日本経済復活の必須条件となる と感じる。 アメリカでは、優秀な若者は大企業にいかず、企業を興したり、ベンチャー企 業に入社するケースが多いという。悪戯に、中小企業振興策を打ってもから回り するばかりである。人材の供給こそ、真の振興策である。日本の優秀な若者から 「寄らば大樹の陰」的な思考を排除できるか否かが今後の日本の命運を左右する ように思う。 |
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