Mail#62 NHKスペシャル


9月4日の川田龍平君と郡司元厚生省生物製剤課長の対談は、 画期的な企画であった。
この番組を見て、薬害エイズは繰り返すと確信した。 今度はあなたがいや、私が被害者になる番かもしれない (私は、いや私たちの世代は、幼稚園児になる前にすでに、 AF2<日本以外では禁止されていた>という発ガン性食物保存料を 大量に食べさせられている。)。
厚生省の役員全員を否定するつもりはない。構造的な問題があることも 否定しない。今回、厚生省が行ったことは、日本全体を貫くいいかげんな プロセスの結果なのである。このようないいかげんな話しは、命に私の回り にもたくさんある。悲劇なのは、役人がこれをやってしまったことだ。 郡司氏に同情の余地はないが、自分がこれまでに行ってきた無責任な 数々のことが、思いだされ、郡司氏の弁解と重なり、恥ずかしくなった。 (話しはそれるがこれは、日本語の持つあいまいさが生み出し悲劇かもしれない。 日本人の悲しいところは、人の命にかかわろうが何であろうが、 すべて、まあまあでやっつけてしまうところである。 日本語の持つあいまいさ、いいかげんさというのは、上司が会議で プレゼンテーション用に使う原稿を英訳する仕事をするようになって いやというほど分かった。) 昔、かみさんが自殺した厚生省役人の話を図書館で借りてきて読んでいた。 正論を通そうとしたが、官僚組織がそれを阻み、この世に絶望して命を絶った役人 の話しだ。自殺しないまでも中には、もともな役人もいることを願いたい。 「記憶がない、忘れてしまった」という連発する郡司元課長の以下の 厚生省を擁護する発言は印象的であった。
「厚生省に責任を押しつけても何の解決にもならない。 (中略)。厚生省は素人の集まりなんです。 もっと別の専門的組織が必要なんです。」
「我々の社会はね、企業が利益を追求して活動することを 否定していないでしょう。」
「医療界には、今回の薬害エイズについて何の反省もないですね。 また起こりますよ。」



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