Mail#55 ご無沙汰


ご無沙汰です。 やることがあまたございまして、電脳生活から遠ざかっておりました。 ボブベックさんは、どんどん電磁波に取り囲まれていくようで何よりです。 人々が和集団の形成を完了したとき、すなわち一心同体の群をなしたとき、特に群をなして旅行するとき、その構成員は群集心理に全く身をまかせてしまう。あるいは、より正確には群集心理に身をまかすことを要求される。人々は思考を止め、自制心を失う。この状態における和人は、単に粗暴であるにとどまらず、狂気に近い。この群集心理に身をまかす行為あるいは心の癖は六〇年ほど前の中国への、今となっては理解しがたい、無意味のみならず、破壊的な侵略を続行せしめ、そして、その当然の帰結としての全世界を相手とする戦争の原因となった。
(愛知学院大学教授・高際弘夫『日本人にとって和とはなにか』)

日本人による日本人の分析だが、海外投資家が同じような分析をして いたらどう。オウムのサリン事件で、上記の分析に近い状況を実証されたよね。欧米人に比べると、日本人は自分で考えることや判断することを放棄したがる性向が強いみたい。

外人投資家の動向を気にする割には、ウォールストリートジャーナルすら読まない職業投資家の多い国だよ。マスコミをうまく使って、世論醸成を行えば、おもちゃにするには、もってこいの市場じゃないかな(もうここ10年くらいそうなっているけど)。世界第2位の経済大国をおもちゃにできんだよ。楽しいよ。

最近は、市場価値(MVA)やらEVAやらいろいろな分析手法が出回っている。日本市場でも株価評価が配当利回り(配当割引きモデル)から株価収益率に評価が変わった時と同じ状況が起きていんじゃない? アメリカの株式が高くなりすぎて、新しいバリュエーションを作らない と従来のバリュエーションでは割高になってしまうので、具合が悪いということ。ついでに日本市場に当てはめると、もしかしたら株価の下克上が起きて、大きな投資機会が生まれるのではないか、なんてね。

日経ビジネスで、株式時価総額−本来の企業価値=オプションってような分析を行っていて、オプション部分は経営者の創造した部分なんて説明があった。これも、従来のバリュエーションの評価じゃ、株価が説明できないから、経営者の手腕というほとんど評価不能のものを無理やり、オプションだとかいってさも立派なバリュエーションにしたてているだけじゃないかな。経営手腕じゃ、あまり売れないのでオプションってブランド名をつけたらあら不思議、飛ぶように売れましたって。・・・・
ほんとに、そのオプション部分をその経営者が将来、実現するかどうかは わからない訳で、これってのは、もしかして、昔、仕手株を買い上げる時に屁理屈こねたあれのちょっとアカデミックな奴・・・・。

株式投資は、結局、割安買いの割高売り、現在価値買いの将来価値売りで、投資というよりは鞘抜きだよね。鞘を抜くには、それが割安か割高かを判断する基準が必要なんだけど、基準がその時々で変化する。その基準の変化さえも鞘抜きの対象にする。たとえば、銘柄評価の基準が、配当利回りからPERに変わるとき、低配当利回り株が低PER株って評価されたりすると、基準の変化だけで買われたりする。

そうそう、来年からは連結キャッシュフロー計算書が公開される。 単独のものは、すでに公開されているが、使っている人はほとんどいない。結構使えるのにね。(注:日本の資金収支表はちょっと組替えれば、キャッシュフロー計算書として使えるんだよ。) アメリカ人は、これの使い方を知っているが、日本人はよく分からないと いうのが現状。来年、連結キャッシュフロー計算書を目前に、外人日本株ハンターたちは、この手の分析をはじめているかもしれないね。




back to hobo page