Mail#37 史実


今朝、シンガポール航空でマレーシアからシンガポールに移動。 ラッキーなことに、マレー半島側の窓際のビジネスクラスのシートに座ることができた。 地上からは”やしの木の森”に見えたが上空から見ると”やしの木の畑”に見える。
マレーシアの海は浜辺からは、茶色に見える。 上空からは海岸沿いに土が混じった茶色海水の帯びが見えるが、 その外は、エメラルドグリーンの海が広がる。 河は、中学校で習ったとおり蛇行している。 窓の外に広がる景色に目を奪われ、ノートパソコンは膝の上で蓋を閉じたままだった。

我々、日本人は1941年12月8日、眼下に広がるマレー半島に上陸した。
さらに、これから向かうシンガポールを42年2月15日に占領、「昭南島」と名づけた。 そして、罪の無い人々、特に中華系の人達を暴行したり、虐殺したりしたのだ。 まず、日本人である以上、この事実はしっかりと認識して、シンガポールに入国しなけらばならない。 史実の認識をした後は、日本人としてどう振舞うかは個人の判断である。 しかし、この史実の認識なしにシンガポールに入国すべきではないと個人的には考えている。 私は、成田からKLまでの機中で、肉親を日本軍に殺された在日中華系マレー人の方が書かれた本を読んだ。 その中には、もう獣としか形容のしようのない日本軍の行為が記されていた。 だから我々がどうしろということではないと思うが、 殺戮・虐殺・暴行などの史実は認識すべきであると思う。 間違っても、シンガポーリアンにラッフルズ・シティの真中に立つ白い塔「日本占領時期死難人民記念碑(血清の塔)」を を指さして、”What is that tower?"など聞くことなかれ。
シンガポール空港を出る、マレーシアに比べて、かなり蒸し暑い感じである。
タクシーを広い、宿泊先のホテルに向かう。 しばらく公園の中を走っているような風景が続く。 変わった形の高層ビルが見えてくる、都心に入ったようである。宿泊先のホテルは オーチャードロードの先である。この通りは、クリスマスシーズンの 今ごろは、夜になるとイルミネーションで飾られる。
タクシーは安いが、物価はマレーシアに比べるとかなり高い、東京と比べても少し安い程度で、 あまり変わらない感じである。(続)




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