#33 スループット会計


キャッシュフローについては何度か触れた。
製造業の場合、原価計算というものがあるが、これもキャッシュフロー重視に影響を 受けている。
原価計算は、日商簿記検定2級を十数年前にパスした私にとっては、久しぶりのご対面となる。 アナリストが原価計算として頻繁に使うのは、損益分岐点分析くらいである。
もちろん、御社は、全部原価計算ですか直接原価計算(部分原価計算の一種)ですかなどと質問したことももちろんなかったし、めったにこんなことを聞くアナリストもいないだろう。
(だいたいは全部原価だと思うが・・・・)
全部原価計算とは、簡単に言うと変動製造原価と固定製造原価を繰越商品の製造原価にも配賦する方法である。これは、在庫を積みますことで、営業利益を拡大させることができるため、問題が多いとされてきた。 これに対して、直接原価計算は、固定製造間接費を製品製造原価から控除することによって、全部原価計算の欠点をカバーする。
スループット原価計算とは、この全部原価計算の過剰在庫積み増しのインセンティブをさらに減じるために考えられたもので、製品在庫の評価は直接材料費で測られる。スループットとは、売上から直接材料費を引いたものである。
これほどまでに、キャッシュフローが重視されるのも、デフレ経済下という影響が大きいのだろう。



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