Mail#30 約束の地


 私の新しい上司は、海外経験が豊富である。
 彼は「フランス人は世界の中心は、自分達であると思っている。 中国人は中華思想に代表されるように、その意識はさらに強烈。 ユダヤ人に至っては、自分達が世界を動かしていると思っている。」という。 フランス人、中国人に対しては自意識過剰民族と笑ってすませられるが、 ユダヤ人に対してはそうもいってられない。 あの覇権国家アメリカのイスラエルに対する対応を見ても明らかである。 イスラム諸国が二枚舌と非難するのも無理はない。

 イスラエルという国は、やはり緊張感のある国で、いつもぴりぴりしているらしい。 例えば、日本人が出国する時は、誰に会い、どこで何をしたかを必ず聞かれる。 日本の某社の役員は、秘書と引き離れて、誰に会ったか、どのような用件であったかを答えられず右往左往したという。 また、ウルトラオーソドックスというユダヤ教原理主義者(一目でわかる)も同様らしい。 彼らによれば、イスラエルの国の成り立ちが旧約聖書の預言と違うため、イスラエルという国を認めていないとのことである。 従って、彼らが何をするかわからず、政府も彼らの行動には注意を払っているらしい。

また、安息日にウルトラオーソドックスの村を車で通ろうものなら、石つぶてが飛んでくる。 安息日に火を使ってはならないのだ。ここまで、過激ではないが、イスラエルの安息日は、料理も火を使わないものが多いらしい。

「それなら、太陽電池でもイスラエルに売り込めば儲かるじゃないですか?」 と上司に尋ねると、イスラエルでは、既にかなり普及しているとのことであった。

 




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