アナリストの重要な業務に、業績予想がある。 売上の予想がある程度、固まってくると、営業利益、経常利益までは容易に 予想が出てくる。 問題なのは、税引後利益である。特に悩ましいのは連結税引後利益である。 四季報を少し眺めてもらえばわかるが、会社によって、純利益と経常利益の比率が まちまちである。同じ会社でも期のよっても大きく変動する。 DDIの連結純利益が連結経常利益に対して低いのは、DDIポケットの赤字の 影響であることがだいたい予想がつくだろう。 では、TDKの連結純利益が連結経常利益に対して高いのは、なぜか。 実はこの手の会社が一番厄介である。これは、やはり取材を通じてしか、要因は つかみにくい。 TDKは、国際展開している会社であり、収益源であるMRヘッドの利益の一部を、 税率の低い香港子会社を計上しているからである。 国際展開している会社の税引き利益を予想するのは、その会社の所在地別の利益構成の 把握に加え、各国の税制や税率の知識が必要であり、難しい作業のひとつである。
移転価格税制という問題もある。例えば、A国にある海外子会社の生産品をB国の親会社が
買う時に、仕入価格を不当に安く押さえることで、親会社の利益を厚くしていたとする。 |
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