Mai#23 キャッシュフロー計算書


 2000年3月期より、いよいよ連結キャッシュフロー計算書が公開が義務づけられる。
我々、アナリストはさらに大きな分析ツールを手にする。
特に、私どものような弱小リサーチャーにとっては、非常にありがたい。
企業の決算は、現金主義ではないため、「勘定あって銭足らず」というケースがある。
キャッシュフロー計算書というのは、現金主義であるため、損益計算書(PL)、貸借対照表(BS)では見えない資金の流れが見える。
京セラは、キャッシュフロー経営を重視、以前より連結キャッシュフローを公開してきた。京セラのキャッシュフローは非常に安定している。 今回、創業者である稲盛氏が、「実学」という著書を記され(すいません、立ち読みで読破しました。)、その中で、キャッシュフローの重要性を説いている。
キャッシュフロー計算書は、今までのBS、PLの平面的な分析では見えない、資金繰りという粉飾の難しい企業の重要な側面を映し出す。
今まで、単独の資金収支表は義務つけられていたが、これでは子会社への押し込み販売などは、なかなか見抜けない。

我々は、今まで、キャッシュフローを代替的に当期利益に減価償却費を加えて、株式バリューの国際比較に使ってきた。
しかし、代替キャッシュフローとキャッシュフロー計算書からでてくるキャッシュフローの動きはかなり異なる。
今後、アナリストの分析も精度を増すであろう。
 「キャッシュフロー計算書」の分析について、さらに知りたい方には、「連結経営におけるキャッシュフロー計算書」(中央経済社:菊池誠一著 本体4,000円)をお奨めする。
 




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