Mail#8 分社


 インテルの本CEO・アンドリューグローブ氏が書いた「インテル戦略転換」は、 ハイテク関係のアナリストは必読の書であると思われる。
 いううまでもなくハイテクは流れが速い。米国では、その早い流れの中で、 業界の構造を川上から川下まで手掛ける垂直型(昔のIBMが典型)から 専門分野に特化した企業群が並び立つ水平型(Intel、マイクロソフトなど)に 変えてきた。
 しかし、日本は依然として、昔の構造を引きずっていた。その化石的形態とも 言える総合電機3社がもう従来の姿を留められなくなっているのは象徴的である。 日本でも、ニッチトップのハイテク中堅企業(電子部品に多い)が、 好業績を挙げている現象は、やはり産業構造の水平化を要求している証左といえよう。
 家電業界では、ソニー、松下、三洋電機などが早くから分社化を取り入れ、 リストラを行ってきた。ソニーや関西家電3社は、創業時より、国に頼らず、 自力で生き残ってきた企業群でもある。
 松下幸之助などの創業者たちの足取りは強烈であり、依然として各社の経営者(わが社でも)の経営指針として引き合いに出されることを見てもわかる。
その一方で、H製作所や、T芝、M菱電機(M重工から分離)は創業者の印象も薄く、国の産業政策とともに生きてきた企業群である。 その3社中、2社(HとT)が、いよいよ流れに抗えなくなってきた。遂に分社化を行うという、昨年、取材に行った時、H社は分社化を否定していた。



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