★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ ★★★★  投資信託入門 その6  ★★★★ ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ 今回はRR5のファンドに関する解説です。 (5)RR5・・積極値上がり益追求型→大きな値上がり益の追求を目標として、    派生商品や値動きの激しい証券等に積極的に投資するファンドですが、よ    り大きな値下がりのリスクがあります。具体的にはダブル型のインデックス    ファンド(日経平均の2倍の値動きを目標とするもの)等がここに分類されま    す。  ダブル型のファンドやベア型のファンド、そして、TAA型のファンドで、株式 を目一杯組み入れたときには100%以上の組入れにするファンドがここに入ります。 (株式の組入れが上限120%でも、運用方針によっては、RR4の方に分類する場合も ありますので、ご注意を。)  日本にもヘッジファンドのようなファンドをという要望にお応えする形で登場しま したが、ほとんどがインデックス型やシステム型です。ファンドマネージャーが 個人の判断で運用するRR5のファンドは本当にごく僅かです。 まず、ダブル型のファンドについて、どのような運用が行われるのかについて 解説します。以前にも、ここのMLでは解説しましたので、ご理解いただいている 方は、読み飛ばして下さい。 100億の純資産のファンドがあったとすると、ダブル型の場合200億の先物を買い建て ているわけです。インデックスが1割下がると、200億の1割で20億値下がりします。 建て玉は180億円となりますよね。純資産は100億円−20億円で80億円となります。 そうすると80億円の2倍は160億円ですから、180億円−160億円=20億円で、20億円の 先物を売却しなければならないのです。つまり、ダブル型のインデックスファンドの 場合、解約が無くてもインデックスが値下がりすれば先物を売却し、インデックスが 上昇すれば先物を買い増しする仕組みとなっております。つまり、高いところで買って、 安いところで売るという運用になりますので、インデックスが、もみ合い状態の時には、 インデックスに比べそのパフォーマンスは悪化します。つまり、短期的に売買しなけ れば、投資家が負っているリスクに対して、そのリターンがペイしないファンドなの です。 ここのファンドで注意を要するのは、基準価額が0円を下回ることはないのかとい う事です。例えば純資産の2倍の先物を買うファンドの場合、単純に計算すると、 一日に日経平均が半分になれば、基準価額は0円になります。日経平均20,000円で 設定されたとしたら、日経平均が10,000円になった時点で基準価額は0円です。 (実際は、一日でそれだけ下がることはあり得ないので、日々日経平均が下がる度に 先物を売却していく売買が行われるので、もっと日経平均が下がらないと、基準価 額は0円になりません。理論上も) そうすると、基準価額が0円を下回ると、 顧客から、資金を回収しないとならないのかという事になります。で、こんなこと は、現実には出来ませんので、基準価額が0円を下回らないような規制が、派生商 品を利用する場合には適用されます。  その規制とは、派生商品の損失が、純資産の50%を越えないようにしなければな らないと言うことです。つまり、基準価額が6,666円になれば、資金の出入りがなけ れば投資した派生商品の損失は3,333円で資産の50%になります。この時点で、少な くともいったん、派生商品を手仕舞わなければならないのです。再度派生商品を建 てるのは自由です。しかし、こういった規制をかけることで、常に清算が行われる ことから、保証金がなくなり、受益者(投資家)から、資金を回収し無ければならな いと言う事態は避けられます。  私個人は、ここに分類されるファンドを購入することはお奨めできません。 先ほども述べたように、短期売買を奨励しなければならないファンドなんて、 保有する価値などないように感じるからです。(ちょっと言い過ぎかなぁ。でも 本当に私はそう考えておりますので・・。)しかしながら、先物ディーラーと 同様の感覚で、インデックスを売買したい方には、お奨めでしょう。また、 ある程度の中期的な形でインデックスを保有したいのなら、ダブルを買うよりは インデックスを2倍購入した方が、そのパフォーマンスは良くなります。 また、販売に携わる方の人気も高いようで、それが、既存のファンドを圧倒的に 凌駕するような資産を集めた要因にもなっているのでしょう。つまり、動きが 大きいので、すぐに利食えるということでしょうか。単にボラティリティが 大きいだけなんですが・・・。 さて、次回は何を解説しましょうか・・・?現在思案中です。