信託財産留保金ってなーに?


今まで議論されてきたように、信託期間途中での、解約は、パフォーマンスに影響 を与えてしまうのですが、そのためのとばっちりは、解約する受益者では なく、残っている受益者が被ってしまうわけです。そこで、解約するお客様 には、せめて、自分が解約することで、売却しなければならない証券の手数 料分くらいは、ファンドに置いってってね。という主旨で設けられたのが、 信託財産留保金です。たしか、92年の終わり頃に導入されたように、記憶し ておりますが・・。
これは、早く解約されるお客様へのペナルティという意味も込められており ますので、(ちょっと、表現が難しいですが・・)設定から、時間がたつほ ど、金額が少なくなります。例えば、設定日から半年以内に解約する場合は 1口(1万円)当たり300円、1年以内に解約する場合は200円、2年以内な ら100円・・・という具合です。これを、導入した当時は、これによっ て、信託期間途中での解約は、相当減るだろうと、思われましたが、現状で は、その目的は達せられていないようです。
また、前回書いたように、解約するお客様の資金は、その前日以前に、用意 しておかないと、間に合いませんので、売買手数料が、基準価額に影響を 与える日と、信託財産留保金がファンドにはいる日が同日ではありません。 そういった、不平等感があるのは事実です。

そこで、信託財産留保金がファンドに与える影響を例を用いてご説明します。
  100億の純資産で90億の解約があったとします。
  そのときの、信託財産留保金が1口当たり200円としましょう。
  そうすると90億の資金が90億×200円/10000円=1億8000万円の
  信託財産留保金をファンドにおいていくわけです。残った資金は
  10億円ですから、(1億8000万円/10億円)×10000円=1800円
  となります。つまり、90億円の解約があったために、基準価額が
  1800円上昇となります。これは、あくまでも、一気に解約が合っ
  た場合ですから、ファンドの残存率が10%になったときに信託財
  産留保金の影響が1800円あるという意味ではありません。

  ただ、パフォーマンスの良いファンドは、クローズド期間が明けますと
  一気に解約が殺到し、不冴えなファンドは、ずるずると、解約が
  でてきますから、そのパフォーマンスの差は益々開いていくとい
  うのが現実であります。

  実際にはこの90億の資金を用意するために、保有有価証券を売却
  しているわけで、その売買手数料や、そのための、ポートフォリオの
  悪化を考えると、喜んでばかりいられませんが・・。

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