第二日目 ロキシー

 ハウスオブブルースから奥に向かって歩いていくと、ウィスキアゴーゴーというライブハウスが見つかった。新進気鋭のバンドが数多く登場するらしい。しかし、中をのぞき込むとスタンディングのみ。さすがにこれはきつい。やはり今日はロキシーにしよう。そう思って更に歩き続けると、Rと言う大きな看板が目に飛び込んできた。もしやと思い、足早に歩くと、ロキシーの看板が。

 早速チケットを購入しようとするが、チケット販売窓口が閉まっている。中に入り何時から始まるか聞くと「7時半から。」とのこと。それまで、ここに居れるかと聞くと、「7時半まで店内には入れない。」とのこと。時計を見るとまだ、6時である。

 しょうがない、隣のレストランで夕食を食べよう。そう考え隣のレインボーというレストランに入った。ここも結構有名なお店のようだ。店員も結構親切。

 チキンピカタとクラムチャウダースープ、レインボーシェイクを注文するがレインボーシェイクが出てきた途端にお腹がいっぱいになってしまった。ビールの大ジョッキ並の大きさのコップにバニラシェイクが並々つがれているのだ。

 それをストローでちゅーちゅー吸っているうちに、スープ、チキンも出てきた。チキンピカタはレモンが一杯降りかかっていて、私にはちょっと酸っぱすぎる。しかしクラムチャウダーはなかなかいけるし、シェイクも量は別として味はまぁまぁである。

 食事が終わって時計を見ると、7時半。多少料理は残っていたが、チェックアウトをしてロキシーへ。演奏は八時からスタートとのこと。しかし7時半が過ぎ、店が開いても客はほとんど入っていない。中学生、高校生らしき団体がいるだけだ。

 ビールをちびちび飲んでいると、演奏が始まった。バンドの名はマスタードプラグ。ギター二人とホーンセクションが分厚いバンドだ。ジャンルは、あえて分類すればスカ。マッドネスみたいな感じの曲が続く。

 しかしこういったジャンルでギターリスト二人は不要だなと思ってしまう。ギターのリズムカッティングを二人でやっているために、スコーンと抜けないのだ。今ひとつアンサンブルに難があるバンドである。しかしノリ自体は悪くない。ホーンもペットが多少音をはずすときがあるが、それ以外はかっちょいい。

 周りを見ると、やはり客の入りは少ない。そして中学生くらいの女の子が一人で、席で聞いている。LAのナイトライフは危険が一杯とガイドブックには書かれているが、実際にはこんなものなのかもしれない。街が危険なのではなく、過去の日本人旅行客が通常では考えられないような羽目のはずし方をしていたために、狙われただけなのかも。最近アメリカの景気が良くなっているというのも要因かもしれませんが。。。。

 第一ステージが終わったので、店を出て帰宅することに。タクシー乗り場でタクシーを捕まえ、「フィゲロアホテルまで。」と告げる。運転時間は30分程度か。

 運ちゃんが「ロキシーは混んでたか?」と聞くので、あまり客は入っていなかったと答えると、「まだ時間が早いからねぇ。あの店は10時過ぎてからだよ。混むのは。」とのこと。時計を見ると午後9時。まだお子さまの時間だと言うことだろう。

 十分ほど走った時のこと。運ちゃんが「くそ!」と叫ぶので、どうしたのかと思って前を見ると、パトカーが三台道路を占領している。「何が起きたのかね?」と尋ねると、「うーん、多分誰か殺されたんだろう。」とのこと。おいおいおい。やっぱり危険な街なのか。「それは危険だね。」と言うと、「あぁ、この辺は危険な地域だよ。」

 やはり、LAを気楽に考えてはいけないようである。夜はタクシーを利用し、店に入るときにはタクシー乗り場を確認してからにしようと心に誓い、フィガロエホテルに帰るのでした。



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