利用者とお客様

 昨夜のビジネスサテライトはなかなか面白い特集をやっていた。題して「乱立で公営会議場総ガラ空きの怪 お役所は箱物がお好き」

 この夏20万人を集めたグレイのコンサート、そして二日間で25万人を集めたラルクアンシェルのコンサートは、利用の少ない国際展示場の稼働率をなんとか引き上げようと言う、自治体の努力の結果だというのだ。全国各地に相次いで建設された国際展示場・会議場。不況で見本市は縮小、廃止され、経営はどこも厳しい。そこで、ロックコンサートを誘致したり、料金割引をするなど、努力はしているものの、供給は増え続けるため苦境を脱することは出来ない。無駄な箱ものを建設するよりも、何か方策があるのではないかというのが、このレポートの趣旨であった。

 そして、ある会議場の運営会社役員にインタビューをしたところ「利用者の利便を考え、利用率を引き上げたい。」とのコメントだったのだ。そこで、コメンテーターが一言。「"利用者"と言っているうちは駄目ですね。"お客様"でしょう。」

レポートの趣旨よりもこの言葉にぴんときましたね。公共サービスの対応も以前に比べて随分、まともになってきました。でも、何か違うんじゃないのかなぁと思っていました。結局、この言葉に全てが集約されていると思うのです。  マツモトキヨシの創始者であり、松戸市の市長として辣腕を振るった松本清氏は市長在任中に「すぐやる課」というのを設置しました。この趣旨も、市役所にとって住民は、利用者ではなくお客様だという考え方があったのではないでしょうか。

 地方自治体が、住民をお客様と考えて、サービスのあり方を考えるようになれば、税金だってもっと納めたいと思う人が増えるのではないだろうか。



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