ベトナム料理

　ＪＲの蒲田駅前にベトナム料理屋がある。店名は「ベトナム」。蒲田駅前といってもちょっと小路を入ったところで、ラブホテルと性風俗の店が乱立する地域だ。これだけの安直な命名と立地条件を考えるとたいした店ではないだろうと思い、６年以上蒲田に住んでいるのに一度も足を踏み入れたことはなかった。

　しかし、Yahoo!やinfoseekで「ベトナム料理」と検索すると必ず登場する上、いくつかのグルメ関係ホームページでは絶賛されていることを最近知った。

　そこでネットワーク上で知り合った友人たちと、意を決して乗り込んだのだ。

　店の中にはいると、思ったよりも綺麗な内装である。最近改装したばかりなのだろう。メニューも写真集みたいに綺麗に整えられている。まず最初にベトナムビールを頼む。缶で出されたビールをコップについでグビグビと喉を潤す。思ったよりも美味い。ちょっとベルギービールに似た雰囲気があるかもしれない。

　喉を潤した後は食い物である。注文したのは、生春巻きを２種類と、ベトナム風しゃぶしゃぶ、なまずの煮物、パパイアのサラダ。生春巻きがさっぱりして美味い。たれにつけて食べるのだが、そのたれが、また深みのある味である。さすがに、グルメ関係ホームページで絶賛しているだけはある。その上、野菜がたっぷりと入っているので、健康的にも良さそう。暑い時期にはぴったりの料理だろう。

　なまずは私にはちょっと生臭かったが、しゃぶしゃぶの方は、やはりさっぱりとした中にこくがあり、いくらでもおなかに入りそう。ＢＧＭに流れるボサノバも心地よい。ベトナム料理でボサノバというのも妙な取り合わせだが、単に店長の好みだろう。なかなか良い趣味をしている。

　最後に、デザートとしてタピオカの３色デザートを注文。これがまた美味い。おなかが一杯なのに何故かデザートはお腹に入ってしまうのである。

　会計をして更にびっくり。１人当たり2500円。こんな安く、美味いものを食えるというのも、蒲田ならではあろうか。ちょっと病みつきになりそうな予感がする。

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