自治体のディスクロージャー

 札幌市が、公募債発行を円滑に進めるために、説明会を開催するというので、早速行ってきました。会場に入ってびっくり。事務局として前の席に座っていたのは高校時代の同期でした。

 名刺交換をして、近況をお互いに報告。高校時代と変わらない笑顔に思わず心が和んだのでした。

 説明会の方はというと、地方債協会理事長の意味の無いあいさつからスタート。結婚式の来賓挨拶ではないのだから、一言で済ませば良いものを、「長いと札幌市の説明が短くなるから、簡単に・・・」と言いながら数十分も話していました。こういうのって、参加している我々にとっても無駄な時間となるので止めて欲しいものです。

 その後、某銀行の調査部門の人が地方債市場の現状についての説明。これも既に知っていることだし、更に突っ込んだ話が聞けるわけではないので、必要な無いコーナー。地方債の信用度を補完している「四つの制度」について説明があったが、本当に必要な議論は、これら四つの制度が綻んでいる事なのですよ。「自治省が、国と地方は同じ信用度と言っている。」とは言うものの、大蔵省と自治省でその辺りの考え方に温度差があるのだから、そのまま受け入れるわけにはいかないと、投資家は考えているのです。

 そして最後に札幌市の説明。これは、なかなか面白かった。既に発表されている、財政状況だけではなく、特別会計や企業会計についても突っ込んだ説明があり、札幌市のディスクローズに対する真剣な態度を改めて認識することが出来たのです。

 更に、三セクに関して、二団体が債務超過であり、これらに関しても民間のコンサルティング会社に依頼して、経営改善計画を策定している事、企業会計の導入を目指してプロジェクトチームを発足させている事等の説明があり、札幌市の財務の現状や問題点が明らかになったのでした。

 地方自治体と国の信用度は同じと言う考え方は変わらないようですが、市場に受け入れられ、債券発行を円滑に進めるためにはディスクローズを徹底し、投資家に理解を促していくと言う姿勢は非常に好感が持てました。他の自治体も、銀行に債券消化の全てを丸投げするのではなく、自分達で投資家と対話する機会を求め、投資家に理解を促していくことが必要ではないでしょうか。



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