映画の撮影

 金融腐食列島という高杉良の小説がこの秋、映画化される。その映画の中で、舞台となる銀行の株主総会のシーンがあるのだが、そのシーンにエキストラとして出演しないかと誘われ、東映の撮影所まで行ってきた。

 大泉学園駅に着いたときには、既に集合時間である8時30分に後少しと迫っていたので、慌ててタクシーに乗った。タクシーの運ちゃんに、「東映の撮影所まで」と告げると、タクシーの運ちゃんは、「今日は珍しいねぇ。みんな東映の撮影所に行くんだよね〜。」とのこと。株主総会のシーンなのだから、エキストラの数も半端ではない。多分、そういったエキストラの何人かが、同じタクシーを利用していたのだろう。

 撮影所に到着し、控え室に入ると、既にNORIKOさんを筆頭に我々のグループは全員揃っていた。なんだかんだと、世間話をしているうちに、撮影スタートの時間となり、スタジオに入るように言われる。スタジオは、木造の結構立派な造りだ。株主総会と言うよりは、イギリスの議会か、裁判所のような雰囲気。そして、壇上には役者が揃っている。よくよく見ると、中心に立っているのは根津甚八。そして後ろの方には椎名きっぺい、もたいまさこ等が、銀行の事務方として、根津甚八の後ろに座っている。私が座ったのは一番後ろの通路側。そしてその通路の後ろには役所こうじ(字を忘れてしまった。。。。)が控えている。

 いや〜、これだけの有名な役者を目の前にしたのは初めて。普段はあまり興味がないのでドラマも見ないし、役者にも興味がないのだが、目の前に見るとやはり、嬉しくなってしまう。

 午前中は、@株主がそろぞろと場内に入るシーン。A根津甚八が、銀行の頭取として株主総会の開会を宣言するシーン。B株主総会の最後に、ある株主が将来の銀行に期待を寄せる発言を行い、株主総会が終了するシーンの3つを撮影。それぞれのシーンはどれも数秒から、1分少々のシーンなのに、これを取り終えるだけで、1時まで撮影が続いた。同じシーンを何度も撮るのだ。まずは練習。そしてカメラテスト。本番。本番も二度ずつ撮っていた。

 ちなみに午前中は、カメラが私の横にありずっと壇上を写していたので、私が映像に写っている可能性はゼロ。写る可能性がないと分ると徐々に緊張感が薄れてくる。そして昼食。撮影所内にある食堂で昼食を取り、午後の撮影となる。

 午後は@総会屋らしき人物が頭取に襲い掛かるシーン、A違う株主が質問し、それとともに場内が怒号に包まれるシーン、等を撮影。頭取に襲い掛かる役の若手役者が何度も監督に注意され、それとともに撮り直しになる。

 午前と違い、壇上にカメラを置いて株主の様子を撮るシーンが多かったのだが、既に慣れてしまったのか、ボーっとしてしまい、助監督に注意されてしまいました。しかし、どう見ても私がカメラのフレーム内に収まっている様子はない。写っていたとしてもせいぜい足の部分がちらりと写る程度でしょう。

 それにしても、映画と言うのはたくさんの人によって作られているのだなぁと実感しました。監督、カメラマンはもとより、メイクの人が何人かいて、撮影の合間にしょっちゅう役者さんの髪型を整え、ファンデーションを塗りなおしている。またマイクをずっと持っている人がいるし、カメラを支えている人も何人かいて、カメラが動くときは、台車を一生懸命に押している。スモークをたいているのだが、これを管理している人もいた。そして、監督に怒鳴られながらも、みんな生き生きと仕事をしている。我々とは、なんと違う世界なんだろうと痛感しました。

 午後の撮影は6時半で終了。夕食後も撮影は続けられたらしいのだが、我々は早々に解散。希望すれば、夕食後の撮影にも参加出来たのだが、みんな疲れきって、出る言葉は「早くビール飲もうよ〜。」。一目散に、池袋に向かったのでした。



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