サラリーマンの不思議 その1

 通勤途中に、いつも不思議に思うことがある。特に会社からの帰り道。電車のホームで電車が来るのを持ったいるときに、「何故この人はこういうことが出来るのだろう?」と思うことがあるのである。

 それは何かというと、電車のホームで電車を待っている時に、背広姿でごみ箱をあさる人が、本当に多いのと言うことだ。レゲエのおじさんがごみ箱をあさっていても、それほど驚きはしない。彼らはそれが仕事だから、頑張ってねと思うだけだ。しかし、背広姿のサラリーマンが、その仕事場を荒らすのはいかがなものかなと思うのである。

 背広姿のサラリーマンという事は、多分、毎月それなりの給料をもらっていると言うことだ。そう言う人たちが、ごみ箱をあさっている姿というのは見ていて気持ちの良いものではない。確かに、一回読んだきりの新聞や雑誌が捨ててあるわけだから、合理的に考えれば、お金を出して雑誌を購入するよりも、ごみ箱をあさった方が安上がりだろう。

 しかし、しかしである。ごみ箱をあさると言うことは、単に電車の中での時間つぶしを探しているだけである。もっと目的を持って、電車の中での数十分を過ごそうと思えば、ゴミ箱に、その対象を求めようとは思わないはずである。

 それにもまして、恥という概念が欠如しているのではないかと思う。日本には宗教がない。欧米では、宗教がある。誰も見ていなくても神様が見ているという概念がある。日本には神様はいない。宗教だってないに等しい。その中で、人間が人間らしく生きていくのは、「恥」を知ることしかないと思うのである。



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