米国株投資

 先日、NY帰りの友人と飲む機会があった。私がNYに遊びに行ったときに相手をしてくれた、同期の友人である。その友人はNYに4年間勤務していた。さすがに、英語はぺらぺら喋られるようになったようだが、やはり、仕事以外の話になったときには、理解できないことも多く、外人の中に入ると疎外感を味わうことも多かったそうだ。実際、私も外人のセミナーに参加すると、仕事の話は何とか理解できても、スピーカーが聴衆に理解させようとして例え話を持ち出されると、とたんに理解できなくなる。結局、欧米人と対等に話をしようと思うと、マザーグースから勉強しないと駄目なのかなと思うのである。

 そして、その友人の話で興味を持ったのは、米国株に投資するのにNYに住む必要はないと言うことだ。日本にいてもNYにいても、それほど変わりはないらしい。日本にいても、Wall Street Jounalはinternetで読むことが出来る。年間50$前後で、いち早く、Wall Street Jounalが読めるのだから、これは便利とのこと。(これに関しては、"ビッグバン時代のネット活用術"で私がふれたことでもある。) そして、衛星放送でCNBCも見ることが出来る。これは私は知らなかった。CNNは衛星放送で見ることが出来るだろうと思っていたが、CNBCも見ることが出来るとは知らなかった。私もNYに行った時にこの番組を見たが、どんなニュースを流しているときも、テロップで株価や為替、債券の情報が流れ、CNNより、投資家にとっては便利だなと感じた記憶がある。実際、米国の投資家はみんなCNBCを見ているそうだ。そして、証券会社などは、CNBCより早く情報を顧客に伝えないと、顧客に電話する価値はないとさえ言われるとのこと。

 Wall Street JounalとCNBCの情報が手に入れば、後は、実際に会社取材して得る情報以外に、NYに住む重要性というのは無いというのが、その友人の言い分であった。そして、会社取材であれば、年に何度か出張すればよい。わざわざ金を掛けて、現地法人を作る必要はないのかもしれない。

 それだけ、情報距離は短くなったと言うことだろう。株式投資をするものにとっては、良い時代になったと言うべきなのだろうか。個人投資家にしても、Wall Street Jounalと衛星放送は、簡単に手に入る情報である。その上、注文を出すときも、internetで注文を出すことが可能だ。機関投資家と個人投資家の垣根はどんどん低くなっている。その差は、情報量ではなくどれだけ先を見通す目を持っているかになっている。昔も、それが重要だったのは言うまでもないが、昔は情報量においても個人投資家と機関投資家には大きな差があった。internetの普及と、通信技術の発展が、機関投資家と個人投資家の情報量の差をなくし、距離の差を無くしてしまったのである。

 こういった話は、著名人が、出版物などで良く書いているが、実際に米国に住んでいた友人から聞くと、実感がわくものだなと思う。



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