第三弾!

 芸がないのですが、株主価値創造革命からの引用第三弾目です。今日は、この本の中での引用部分、つまり引用の引用ですが、読めば分かります。読んでください。

ロス・ウェスター・フィールド・ジャッフィー
『Corporate Finance』

経営の目的−−(この問題を考えるに当たっては)誰が経営を支配しているかをはっきりさせなければならない。−−企業=契約理論(set of contracts theory)によれば、経営者や管理職は契約によって雇われたエージェント(代理人)であり、集合体としての株主がプリンシパル(本人)である。そして、もし自由にできるならば、雇われマネージャーも、彼らを雇った株主も、それぞれ自分の利益の最大化行動をとるだろう。

雇われマネージャーの経営目的は、株主のそれと同じではない。もし株主を無視して自由に選べるのならば、雇われマネージャーたちは何を最大化したいと考えるであろうか。

@サバイバルの可能性。サバイバルの可能性を最大にするには、企業活動を維持するために必要な全ての経営資源を常に確保しておくことだ。
A独立性。これは、経営の意志決定やその実効に際して部外者を介入させず、また外部資本市場に依存しなくて済む自由度の最大化である。
B自給自足度。経営者は基本的に外部の誰にも依存しなくて済む状態を好むものなのだ。

こうしたインタビューを踏まえて、ドナルドソンは雇われマネージャーの経営の目的関数は企業の富の最大化にあると結論づけた。それは企業の規模成長であり、規模の最大化の追求と裏腹の関係にあるのだ。そしてそれは、必ずしも株主の富の最大化と一致しないのだ、と。

 如何でしょうか?日本の経営者って、ほとんど、上記の@〜Bを実行していると思いませんか?そしてこれらの呪縛から解き放たれた経営者が、株主価値の増大を目指していけるのだと思います。

 そう考えると、最近流行の『コミットメント契約』は条件付きながらも、株主価値増大へ歩み始めた印と考えて良いのではないでしょうか。

 今までは、必要がなくても、「何かのために」現金は、手元に置いていた。一回借りたお金は、必要が無くても、返さずに手元に置いていた。そのために、資産が膨張し、効率的な経営となっていなかった。その日本の会社が、それを変革しようとしている。何かあったときには、ちゃんと貸してねとの約束をするために、幾ばくかの無駄なお金を支払わなければらないとしても、資産効率のために、手元にお金を置いておこうという今までの日本の会社とは、日本のサラリーマン経営者が、ちょっと変わってきた。そういうことを、まずはきちんと評価して上げるのが、株式市場ではないでしょうか。ただ単に、「それでは駄目。」「遅い」等と文句を言うだけではなく、今の方向性は正しいんだよ、間違わずにその方向に向かっていけば、明るい未来がまっているんだよと教えて上げるのも株式市場だと思うんですけどね。



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