時代の変化

 昨日の日経新聞には面白い記事がたくさんあった。一つは「パーク24」が、銀行の駐車場を借りて、駐車場の時間貸しを始めるという記事。「パーク24」と言う会社は、駐車場を全国に展開している会社だ。駐車場不足に悩むドライバーと、土地を持っているがその利用方法に悩んでいる地主の、両者を結びつけることで、急激に成長してきた。今期、来期とその成長力は落ちつつあるが、それでも、増益基調は崩れていない。この会社が、銀行の店舗で持っている駐車場を借りて、その管理を行っていくというだから、これは非常に楽しみである。銀行の駐車場は、土地の活用方法として非効率なことこの上ない。何故なら、使わない時間が多すぎるからだ。客が来るのは営業日の3時まで。そうすると、夕方や土日、祝日は、駐車場は閉鎖される。駐車場を探し回るドライバーは、銀行の駐車場を横目に見ながら、「ここに停められたらなぁ」と、思い焦がれていたのではないだろうか。今までは、規制により銀行がその店舗不動産を、銀行業務以外の商売に使うことは出来なかった。しかし、規制緩和によって、それが可能になったのだ。銀行が、その保有不動産を有効活用できるようになれば、その利益率上昇によって、また新たなサービスの提供が可能になるのではないだろうか。

 もう一つの気になった記事は、中高年技術者の人材市場を創設するという記事だ。今まで日本では、「転職」よりも、一つの会社で最後まで働き抜くことを良しとしてきた。しかしながら、日本の企業はもう、社員の雇用を最後まで守ることが出来なくなってきているのだ。それならば、社員を教育して、他の会社でも使えるような技能を持たせることこそが、企業にとってもハッピーなことであろう。この考え方は、先日のエッセイで紹介した本「知的資本のマネジメント」にも通じる考え方である。

 そして、最後に紹介するのが、産まれてくる赤ちゃんが新生児である比率が上昇しているとの特集記事だ。産婦人科医の妊婦に対する指導が「栄養をとるように」から「太りすぎないように」に変わっていること、過激なダイエットや喫煙、医療技術の進歩などの要因が考えられるとのこと。しかし記者は最後に、「人類の進化における大きな転換期なのではないか」と結んでいる。

 どの記事も、日本が変化しつつあることを、示しているように思える。今や1998年。21世紀を前にして、日本が、世界が、また少し変化しようとしているのだ。新しい時代に、何を求めていくのか。何を表現していくのか。ちょっと、一休みして考えるのも大切なのかもしれない。



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