受益証券説明書

 今日は某証券会社でブルファンドの受益証券説明書を貰ってきました。今度日経平均が底を打ったら、目一杯ブルファンドを買ってやろうと思っているのです。

 ブルファンド(純資産の2倍の株式先物を購入する派生商品型の商品)は、受益証券説明書を読んで購入したことを証明するために、書類に印鑑を押印する必要がある。損したときに、裁判沙汰にならないように、「私が、リスクを認識した上で自分の判断で購入しました。」と宣言する書類である。

 「ここが買いだ!」と思ったときに、すぐに電話で購入の注文を出せるように、今のうちに印鑑を押印しておこうと、証券会社に行ったのですが、その際に、受益証券説明書を貰ったのです。

 これを読んでびっくり。私のホームページでも多少触れているが、「株式市場が上下を繰り返すときと、毎日上昇するときでは最後の値段が同じでも、基準価額が異なる」と言うことが、図入りで説明してあるのだ。

 配当と金利の差によって基準価額の動きに違いがあることも、説明されている。今まで受益証券説明書というと、小さい字で約款の一部を紹介したり、投信会社の組織の説明、費用と税金など決まりきったことばかり書かれており、そのファンド固有のリスクに対する説明というのはおざなりになるケースが多かった。「基準価額の変動がある」「元本は保証されない」等という、リスク説明がなされていないことが多かった。しかし、最近のファンドは、そういった説明だけでは納得できないようなリスクを内在していることが多くなっているのだ。そう言った意味で、同じ日経平均の水準でも、過程によって基準価格が違って来るというリスクを図入りで解説するようになったというのは投信業界にとっては大きな前進だろうと思う。

 私は生命保険業界に入って、今、生命保険業界の業界内試験を色々受けさせられているが、その際に、「約款」と「約款のしおり」について、その存在理由、いつ手渡さなければならないかについて、しつこく勉強させられる。別に生命保険の販売をするわけではないのだが、生命保険会社に入ったからには勉強しなければならないそうだ。

 勉強してみると、投信業界における、「約款」と「受益証券説明書」は、生保業界における「約款」「約款のしおり」と、その位置づけが非常に似ているように思う。しかし、販売にあたる人に対する啓蒙は段違いだ。投信業界に於いても、受益証券説明書の位置づけについて、販売する人に対して啓蒙していくような仕組みが、そろそろ必要になっているのではないだろうか。これから、銀行、保険業界がこぞって投信の販売に乗り出す。その前に投信業界として、受益証券説明書の位置づけをどのように販売する人に理解して貰うべきか、明確な方針を打ち出すべきだろう。



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