試験

 生保会社に入ってびっくりした事がある。試験の日程が津波のように襲ってくるのだ。証券会社の時には試験なんて、数えるほどしかなかった。入社の時に外務員試験という、営業をする際に必要な資格を取得するための試験を受けさせられただけだ。絶対に受けなければならない試験はこれだけだったように記憶している。最近では、アナリスト試験も必須としている会社が多いようだし、その他にもSeries7等を受講できるような仕組みにしている会社もあるだろうし、FP資格試験を奨励している会社もあるだろう。しかし業界関係者ならみんな受けるだろうと言う試験は、外務員試験だけだった。

 生保会社では、まず最初に一般課程試験というのを受けさせられる。これは生保の営業をするために絶対受けなければならない試験だ。その後には専門課程試験というのがある。そして生命保険講座というのが、10科目くらいあって、2ヶ月から3ヶ月毎に2〜3科目の試験を受けなければならない。

 運用業務の一環として今の会社に入った私としては、こういった試験は勘弁していただきたいのが偽らざる気持ちである。生保業界で生きていこうと言うよりは、運用業界で仕事をしていきたいという気持ちの方が強いからだ。しかし、文句を言ってもしょうがないと、この年になって、新入社員と同じような勉強をしているのである。そんな時間があるくらいなら他に勉強したいことが山ほどあるのだが・・・。

 銀行関係者も、同じように試験がたくさんあると聞いている。丸善(本屋)に行くと、「信託2級」とか、「財務3級(だったかな?)」というような試験対策の本が並んでいる。こういった試験を受け続けることで、業界関係者として基本的な知識を、積み上げていくのだろう。

 試験に良い点数を取ることがビジネスをやっていく上で重要なことだとは全く思わない。しかしながら、試験が実施されることで、教科書を開く人が増えるのも事実だろう。

 基本的に同じビジネスをする相手とは、同じ言葉でしゃべりたい。つまり同じ知識を備えていることが前提になって、初めて同じ言葉でしゃべることが出来るのだ。そう言った意味で、試験を実施して、同じ言葉でしゃべれる人間を業界で作っていく姿勢というのは評価できるのではないかと思う。

 証券界も、アナリスト試験やFP試験というレベルの高い試験だけではなく(レベルが高いかどうか、人によって感じ方は違うと思いますが。。)、外務員試験とアナリスト試験の間を埋めるようなレベルの試験を用意して、業界関係者全員が備えなければならない知識というのを蓄積していくのも、顧客からの信頼を高める一助になるのではないかと思うのですが、如何でしょう?



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