時差ボケ

 私が日本を離れている間に自民党は大敗し、橋本首相は辞任、株価は日経平均で500円以上も上がっていた。たった1週間、日本を留守にしていただけなのに、大きな変わり様である。

 昨日は一日中、家で、掃除をしたり洗濯をしながらテレビを見ていたが、どのチャンネルをつけても、総裁選に立候補する梶山、小泉、小渕の三氏が顔を出してる。政策的には、多少の違いこそあれ、景気対策、金融対策と、それほど大きな違いはない。しかし、投票する自民党議員にとっては、今後の自分の首が掛かっているため、非常に際どい選択肢となっているようだ。総選挙を避けきれる人を選ぶか、管氏に対抗できるだけの顔となる人を選ぶか。そういった観点で総裁を選ぼうとしている。総裁を密室ではなく、選挙で選ぶという考え方は評価できるとは思うが、世論とかけ離れた総裁が誕生する可能性が高いというのも、何となく腑に落ちない。

 アメリカと日本で何が違うのだろう。時差ボケで、頭の中はNYのまま。ぼーっとした状態で考えてみる。

 橋本首相にはリーダーシップがなかった。今度はアメリカのように強いリーダーシップを持った首相が求められると、日本のマスコミは声を張り上げている。しかし、FTでは、橋本氏はリーダーシップがなかったのではなく、リーダーシップがあったからこそ、経済を混迷に陥れたのだという。つまり、リーダーシップはあったが、情勢判断が出来なかったと言うことだろう。特に経済に関して。

 首相が新しくなって、何か変化を期待できるのだろうか。多分、首相が変わることによる変化なんて、大したことではないのだろう。日本が大きく変わるとしたら、それは首相が変わることではなく、国民が変わることなのではないだろうか。

 企業は変わり始めている。従業員と債権者の方にしか顔を向けていなかったのに、いくつかの企業は、株主の方を向き始めた。自社株買いをすれば良いというものではない。しかし、情報開示、株主の利益の極大化を経営の方針として認識し始めた会社も出始めた。企業は変わり始めている。

 日本の国民はどうだろう。今回の選挙では投票率が上昇した。今までの無関心からは多少変わり始めているのかもしれない。望む候補が居なくても、とにかく現政権に対してはNOという声を上げた。それが、橋本首相の退陣につながったのだから、とにもかくにも国民の声が反映されたのだ。しかし、その後は?果たして、日本の国民に、将来の日本の繁栄のために、今、痛みに耐えるだけの覚悟があるのだろうか。痛みを耐える覚悟を、日本国民が示したとき、初めて、国民が変わり、日本が変わることになるのではないのだろうか。

 うーん、今日は、なんとなくまとまりのない文章になってしまった。時差ボケなので勘弁してね。



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