政治番組  

 日曜の午前中は、テレビに政治家が出演しての政策論争が、毎週行われている。これらの番組での発言が、その後の政局を動かすことも多い。政界関係者はもとより証券関係の人間にとっても、見逃すことは出来ない。翌週の相場に大きく影響を与えるからだ。日曜の朝くらい、ゆっくりと寝ていたいと思う人にとっては、辛い時代でもある。

 昔から、マスメディアを有効に活用しようとする政治家は存在した。先日、自ら命を絶ったA代議士などもその一人だろう。地元に有力な選挙の支持基盤がなく、更に都会を選挙区とする政治家にとっては、マスメディアの利用は非常に有効なものだったのだろう。テレビに出てはっきりものを言う姿勢には、好感が持てた。

 ただ、一昔前までは、テレビに出るのは、そう言った一握りの政治家だけだった。ところが今や、党首クラスや首相がテレビに出てきて政治論争を行う。国会という政治論争の場があるにもかかわらず、そこでは何一つ議論せずに(何一つというのはイメージ的なものであって、実際には議論が行われているのですが・・。)、テレビに出てきたときにだけ、一生懸命議論するのです。

 国民にとっても、テレビでの政策論議の方がわかりやすいという面があるのだろう。国会では、裏での駆け引きがあって、見ている国民には非常にわかりにくいものであった。しかしテレビでの政策論争は、国民が聞きたいことをマスコミが、代弁してくれる。その結果、誰が何を考えているかが、以前に比べ分かりやすくなったのではないだろうか。テレビに政治家を引っぱり出したという意味では、マスコミの果たした役割は大きいと思う。

 その結果、テレビでの印象が、はたまた、どういった政策論議をするかが、選挙にも大きな影響を与えることになるのだろう。マスメディアを有効に活用できない政治家は、通用しなくなるのかもしれない。

 アメリカでの選挙活動は、テレビを使ったものが非常に多いという。テレビに出るときには、選挙民に対する印象を良くするための専属のスタイリストやメイクアーティストが付き、TVCMに於いても、相手候補の欠点をいかに指摘するかが重視される。米国の代表としての決断力があるのは、どちらなのかを国民に訴えるのである。そう言った時代に、日本も突入していくのでしょうか。

 来週は参院選。今日のテレビ論争が、結果に大きく影響を与えることになるのでしょうか。橋本首相は、具体的な方向性は何一つ示さず、恒久的な減税論議をすると言い続けていました。はっきりとものを言わなかった事が、吉と出るのか凶と出るのか。来週の結果が楽しみですね。



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