意志決定システム

 日本では今まで、政治家が政策を決定する際にも、経営者が経営方針を決定する際にも、コンセンサスを重要視してきました。皆の意見を聞いて、それが望む方向に向かうのを待ち、その中で意志決定をしてきました。これは、参加者全員のモチベーションを高めるためには、非常に良い方法だったと思います。全員が決定事項に関して、その決定プロセスを理解し、自分はその中でどのような役割を担っているのかを理解した上で動くことが出来るのです。

 しかしながら、伊藤師匠が出版した『スピードの経済』という題名どおり、経済、及びそれを反映する市場のスピードが加速しているために、現在はコンセンサスが固まるのを待っていたのでは、経済のスピードに付いていけなくなっているのではないでしょうか。

 政府が春先に発表した経済対策も半年前に実行していれば、ここまで景気は悪化しなかったでしょうし、金融機関の不良債権も、もっと早く処理していれば、金融システムの不安に怯えることもなかったのではないかと思うのです。

 では、加速している経済のスピードに対処するにはどうしたらよいのかというと、意志決定システムそのものを変えるしかないのです。コンセンサスではなく、意志決定者が独断で決定していくシステムに日本も変えていかなければ、たとえ今回の景気の悪化が回復したとしても、金融システムの崩壊を止められたとしても、再度、同じ過ちを繰り返すことになるのではないでしょうか。議院内閣制で第1党の党首を首相とするのではなく、首相の任期を定め、一定期間は首になるリスクを考えずに、独断で政策決定できるようなシステムに変えていかなければならないと思うのです。あ、橋本さんがずっと続けるべきだって意味ではないですよ。



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