スカートの丈

 会社からの帰り道に、スナックとかパブのお姉ちゃんの姿が目立つようになってきました。特に午後9時前後には、綺麗な服を着た若い娘が客引きをしている姿をよく見かけます。本来であれば、居酒屋を出た客がスナックやパブに向かう時間であり、そのお相手をする女性は、店を空けている暇はないはず。つまり、客が入っていないのでしょう。客の居ない店の中で女性を遊ばせておいても、お店としては何の収入にもなりませんので、外へ出て客を引っ張ってこいと言うことになるのでしょう。

 先日、パチンコ屋へ入ったら、店の中はガラガラでした。景気が悪くなるとギャンブルが流行ると言いますが、ダービーが史上最大の売上を上げる中、パチンコ屋の倒産は増えているようです。暇になったお父さんが家でごろごろしていると、お母さんから子供の世話でもしてくれと言われるのでしょう。パチンコ屋へ子供を連れて行くわけにも行かず、競馬場へと向かうのかもしれません。競馬場は、緑が多く子供の遊び場としても、格好の場所でしょうから。

 昔から、景気が悪くなるとスカートの丈が長くなると言います。これは、服飾メーカーが布地の余剰在庫を掃くために、布地を多く使うロングスカートを流行らせるためとのこと。また、不況の時には「お笑い」が流行るとも言います。実際、吉本興業の業績は、景気と全く逆の相関関係があるようです。

 こういった、身近な所からも景気の動向は分かるわけですが、そのような事例を集めたのが、『おもしろ街角(ストリート)経済学』。ぱる出版から1400円で発売されています。

 これを読んでいたら、面白いものが結構ありました。例えば、「景気が良くなると遺跡の発掘件数が増える」というもの。公共工事より民間の方が大規模の開発を行うので、遺跡が見つかりやすい。そして民間が大規模開発を始めるのは景気が上向いてからというのが、そのこころのようです。

 こんなのもありました。「景気が悪くなると看護婦のなり手が増える。」「景気が悪くなると公務員の志望が増える。」いずれも、将来のことを考えて、安定したところに就職しようとか、手に職を付けようと言う考えなのでしょう。最近、資格試験のための学校が流行っていると聞きますが、それも同じような理由だと思います。

 そして極めつけが、「景気が悪くなると、財テク詐欺事件が増える。」景気が悪くなると金利が下がり、株価も下がるので資金の運用先に困り、高利率の商品に引っかかってしまうとのことです。これに関しては、今のところ、ドル高が進んでいるので外債という投資先が資金が集まっているようで、その心配は少ないのかもしれませんね。

 いずれにせよ、こういった身近な例を考えても、現状の景気が相当悪化しているのが分かります。「景気が悪化すると、犯罪件数が増える。」「景気が悪くなると、放火が増える。」ということもあるらしいので、なんとか、この景気を上向くような政策を期待したいところですね。



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