ウィック

 自宅の近くに、美容院が何軒か連なっている通りがある。このうちの一軒は、店長がチェーン展開を手広くやっているらしく、毎日美容師の卵が夜遅くまでカットやカール、洗髪の練習をしている。

 練習の際には、マネキンの頭だけのやつを使っているのだが、そのマネキンの頭がゴミ捨て場に並んでいるときにはちょっと異様な光景に映る。

 カットの練習をするのに、一回カットしたマネキンはすぐに捨ててしまうのだろうか。北海道には、髪の毛が伸びる人形というのがあったが、普通は、マネキンの髪の毛が伸びる事はないだろう。もしかしたら、髪の毛だけを貼り替えたり、植え替えたりするのかもしれない。一回カットしてすぐに捨てるとしたら、金がかかってしょうがないだろう。

 昨日、カットをしてもらうために、いつもの美容院に行ったときに、その話をすると、美容師のお姉さんが、「あれはウィックって言うんだよ。」と教えてくれた。(もしかしたらウィップの聞き間違いかもしれないが・・。)

 ウィックには種類が色々あって、カットの練習用には、2,000円程度の髪が薄く安い物を使うらしい。そしてカールの練習には髪の毛がたくさん埋まっていて、10,000円くらいの物を使うとのこと。高級なウィックは何度も何度も使うのだそうだ。

 そうやって、ウィックを使って練習し、熟練してくると人間を実験台にして練習をするようになる。どんな世界でも、お金を取るようになると言うことは大変な事なのだなと思うのであった。


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