サティスファクション

 先日のエッセイで書いた、ローリング・ストーンズのコンサートに行ってきました。早めに会社を出て、6時に東京ドームに辿り着くと、もう熱気でむんむん。まずはパンフレットを購入。コンサートに行くといつも、パンフレットを買うことにしているんですが、ストーンズのパンフレットがそのコレクションに加わるのは初めて。

 ドームの中に入って、席を探す。所詮アリーナ席と言ってもディスカウントショップで仕入れたチケットなのでそれほど期待はしていませんでしたが、座席に辿り着いてびっくり。前の方なんだけど、はじっこなんですよ。これで、ステージがちゃんと見えるかどうか不安になってしまいました。

 開演は6時となっていましたが、その通りに始まるコンサートなんてありゃしない。6時半になっても会場は明るいまま。何時から始まるんだろうと、パンフレットを見ながら待っていると、突然会場が暗転。場内騒然となる。

 ステージが明るくなり、青い光がステージを照らす。突然、「ジャッジャー、ジャジャジャーー」とサティスファクションの前奏が始まる。ミックジャガーがステージに現れる。あぁぁ、ミックだ。そしてキースがいつもテレビとか写真で見ていたようなギターの弾き方で現れる。そしてロンウッドも。なんか、涙が出てきました。目の前に本物のミックがいる。本物のキースがいる。それだけで十分なんです。東京ドームなので、音はぐるぐる回って、何を演奏しているか分からないほどだし、 ミキサーが下手なのか音のバランスが最悪。でも、そんなこと関係ないんです。目の前に本物のキースがいるだけで、良いのです。今現在、キースと同じ空気を吸っているんだって考えるだけで、なんか感動して、涙してしまったのでした。

 感動のうちにステージは進行していくのですが、いやぁ、金がかかっています。ステージの両端には昔の欧風の柱が数本立っていて、その脇には人の形をかたどった柱が立っている。その柱の上部にスピーカーとライトがついていて、ステージを照らしている。ステージの上部には、丸くかたどったスクリーンがあって、そこに、演奏風景が写される。ただ、やみくもに演奏の様子を写しているのではなく、曲によってはビデオクリップと演奏風景を交互に写したり、オーバーラップさせたり。本当に凝っています。そして、コンサートの半ばには、ステージ中央から橋がのびてきて、客席の真ん中に設置された、もう一つのステージに繋がり、ストーンズのメンバーが、その橋を渡って中央のステージへ。そして、その中央のステージで演奏が再開する。

 コンサートを見てて思いましたが、本当に計算されたステージです。ビデオ等を見ていると各メンバーが勝手に、動いているように見えましたが、コンサートを見ていると、キースが煙草を吸うタイミングさえ、シナリオがあるのではないかと思ってしまいました。

 久しぶりに、感動のコンサートでした。さぁ、明日からはまた日常に戻って仕事だぁ。


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