リハビリ4

 中学校の時の保険体育の先生が、最初の授業のときに「太くて長い糞をしろ」と仰った。でも手術後、私はこの教えを守れていなかったんです。一昨日までは、全く出ず、昨日から今日にかけても、一かけらだけ。なにせ、力むとお腹が痛むので、なかなかひねり出せない。しかし、朝食後、やっと出ました。でかいやつが。

 汚い話で恐縮です。しかし、私にとっては重要なことでした。盲腸は腸の一部ですから、切り取ることで腸の動きを弱めてしまうそうで、お通じがなければ人工的にひねり出すと言われていたんです。いまさらかんちょうなんて嫌だし、下剤を飲むのも避けたい。しかし、出そうで出ないのも気分が悪い。そういう状況だったので、でかいやつが出たときは、気分晴れ晴れ、目の前が一気に明るくなりました。

 手術後から「ガスはでたか?」「お通じはあったか?」と回診の度に看護婦さんやお医者さんに聞かれていました。この二つが、手術後の経過が順調かどうかの、チェック項目になっているようでした。そういう意味では、私の手術後の経緯は順調ということでしょう。

 朝食はサラダに薩摩揚げの煮物、味噌汁、そしてご飯。今日からは流動食ではなく普通のご飯と言われていたので期待していたのですが、このおかずでどうやってご飯を平らげれば良いのだろう。もう少しましな食事を出して欲しい、そう思いつつ、すべて平らげてしまいました。

 昼は中華丼に水餃子。これはまぁまぁでした。量が少ないのが難点ですが、まぁ及第点ですね。回診のときに主治医に金曜日に抜糸するからと言われました。後で他の患者さんに聞いたところ、「水曜日は祝日で休み、木曜日はあの先生は学会だから、金曜日になったんだよ。」と教えてくれました。そういうもんかぁ。

 さらにその主治医には、肝臓に気をつけなさいと言われました。やはり採血の際にγ-GTPの値が高かったようです。休肝日を作りなさいとのこと。はい、以後気をつけます。

 それにしても暇。売店にあった雑誌はほとんど読みました。どうせなら、普段読めない分厚いやつを読みたいところですが、病院の売店には週刊誌くらいしかないんですよね。週刊誌と言うのは読むところが少ないし、取材もいい加減なので、読んでもあまり残らないんだよなぁ。

 夕方になって、オリンピックのスケート500mが始まった。仕事をしてたらリアルでは見ることが出来無かっただろうなぁ。1レースからぼーっと見ていたが、レース後半になるにつれて、レベルも上がり、会場の歓声も大きくなる。そして最終レースの清水の走りは本当に見事だった。堀井も今一つだったことから、会場の期待が一身に集まる中、その期待に応えオリンピックレコードで金メダルを獲得した。思わず私も目頭が熱くなってしまいました。夜中にスポーツニュースで結果だけ見ても、これだけ感動はしないんですよね。リアルタイムで見ているから、それまでのレース展開から清水の緊張感や会場の興奮度合いが伝わってくるし、だからこそ、ゴールした瞬間、清水の涙も理解できるんです。いやぁ、会社休んでて良かった。この時ばかりはそう思いました。

 夕食は、明太子のあえ物におでん、そして親子煮(親子丼の上だけ)、そしてご飯にりんご。まぁ病飲食にしては美味しいですよ。ただ、看護婦さんに聞いたら一食580円だそうで、そんなに高いなら、もっと美味いものを食わせろと思ってしまいました。病院食は病院の従業員も食べているそうなのですが、その看護婦さんは一食580円が高いと考え弁当持参で出勤しているそうです。どうせなら、私にも作ってくれないかしら。

 消灯にはまだ早いものの、することもないし寝ようかと思っていたら、マルスさんがお見舞いに来てくれました。いやぁ、久しぶり。何カ月ぶりでしょう。ちょっと前までは、よく飲みに行ったのですが、最近はなかなか擦れ違いでお会いできなかったんです。業界の話題に花が咲いていると、すぐに面会時間終了の放送が入ってしまいました。この病院は面会時間が終了するとドアが閉まってしまい帰れなくなってしまうんですよ。まだまだ話をしたいところでしたが、残念でした。

 マルスさんが帰った後は、一服して、就寝。消灯時間には早いものの、することはないので自分で電気を消して、寝ることにしました。

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