リハビリ2

 今日は朝ごはんのときから、自分で起きて、座って食えとのこと。ベッドの横に座ると傷口にじわーっと痛みが広がる。痛いのを我慢して食う食事なんて、上手くないと思いつつも、これを食べないと、昼まで何も食べる事が出来ない。仕方なく痛みを我慢しながら流動食を口に流し込む。相変わらずまずい飯だ。その上傷口の痛みが、空しさを倍増させる。

 ご飯を食べ終わった後に、ひと休みしようと思ったら、テレビ用のプリペイドカードが切れてしまった。病室から10歩ほど歩いたところに、販売機があるのだが、多分看護婦さんに頼んでも、自分で買いに行けと言われるだけだ。しょうがないので、点滴をつけたまま、点滴を吊すスタンドを杖代わりに、販売機のところまで歩いていった。何度も買いにくるのは面倒なので、2枚購入した。これで、明日か明後日までは足りるだろう。しかし財布の中には、もうほとんどお金は残っていない。

 昼ご飯も流動食だ。食べ終わって、食後の一服がしたくなった。看護婦さんに煙草を吸って良いかと聞くと、別に構わないと言う。喫煙室は2階にある(病室は3階)ので、そこまで自分で歩いていって吸うのなら、良いとのこと。

 痛みを我慢しながら、点滴のスタンドを杖代わりに、喫煙室にたどりつく。数日ぶりの一服は、とても美味かった。吸っている最中に、腹から管を出して袋を二つぶら下げたおじさんも煙草を吸いにやってきた。どうしたんですかと聞くと、前立腺の病気だそうだ。ちょっと尿道に管を通しただけで、あれだけ痛いのだから、このおじさんも相当痛いだろうなと思う。私は盲腸の手術を一昨日前にしたのだと言うと、それじゃぁあと1週間くらいだね。とにかく動いたほうが良いよ。腸がくっついちゃうと後々大変だからと、教えてくれた。やはり、痛くても我慢して歩き回ることにしよう。

 煙草がなくなったので1階にある売店に行ったが、売店はもう閉まっていた。あきらめて病室に戻ったときに、昨日見舞いに来てくれた先輩が雑誌を2冊抱えて見舞いに来てくれた。申し訳ないと思いつつも煙草を買ってきてくれるようにお願いした。ついでに銀行でお金をおろして貰い、パンツも4着ほど買ってきて貰った。「遠くの親戚よりも近くの他人」とは、このことである。とても有り難かった。

 この先輩と少し談笑した後、夕ご飯。相変わらず流動食である。明日からはお粥(固形物が多少入る)になるらしい。病院の食事にそれほど美味いものは期待していない。早くしゃばで美味いものが食いたいものだ。


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