オンラインゲーム

 本日午後はずっと某外資系証券会社が主催するセミナーに出席していました。ゲーム業界、特に家庭用ゲームソフトを製造販売する5つの会社に、家庭用ゲーム機器の今後、その中での経営戦略などを語って貰うというのがこのセミナーの趣旨。こういうサービスは非常に有り難いですね。身体は一つですから、5社全てに直接訪問するには数日かかってしまいます。特に今回は、今月末に「バイオハザード2」の発売を計画している某大阪のソフトメーカーの話を聞きたいと思っていたので、大阪まで出張することを考えたら、このようなセミナーの存在は我々機関投資家にとっては非常に有り難いのです。ちなみに、この「バイオハザード2」、会社側では200万本の販売を見込んでいるようです。私は250〜300万本はいくのではないかと期待しているのですが・・・。

 今回、どの会社も異口同音に語っていたのが、プレイステーションの強さ。一般的には昨年後半は販売台数が失速するのではないかと言われていたし、ゲームソフトメーカーでも多分そうなるだろうと見ていた会社が多かったようだ。しかしながら年末にかけてプレイステーション版ゲームソフトが勢いを取り戻し、それとともにプレイステーションハードも販売台数が尻上がりに増えてきたようだ。この勢いを見て、「当面この勢いは続くのではないか」と、ゲームソフトメーカーの首脳は口を揃えて言っていました。う〜む。今年は、任天堂が「ゼルダの伝説」、「マザー2」をNINTENDO64版で販売します。そうなると、NITENDO64の販売台数も今までとはちょっと様相が変わるのではないかと思うのですがね。

 今回のセミナーの中で、非常に興味深かったのは、「信長の野望」「三国志」等のパソコン用シミュレーションゲームで有名な某ソフトメーカー社長の話。パソコン版をプレイステーション版に移植たゲームも販売しているのですが、どうも、他のゲームソフトメーカーに比べ勢いがない。広告宣伝費をほとんど投入していないのも一つの理由ですが、パソコン用に作成したシミュレーションソフトをプレイステーション版に移植しようとしても、ハードの性能が全く違う(そりゃそうだ、パソコンとプレイステーションでは計算能力が全く違うでしょう)事から、パソコン版の80%程度の出来にしかならない。つまり、面白くないゲームになってしまうのが、大きな要因だと、その社長は分析していました。これを解消するためにこの会社では、今後のゲーム開発に際しては、ゲームのコンセプトをきちんと固めた後、パソコン用ソフトとプレイステーション用ソフトを同時に作ることで、それぞれのハードにあったプログラミングを行い、両方のソフトが同じような面白さを提供できるようにしていきたいとのことでした。

 前置きが長くなりました。この社長の話の中でオンラインゲームについての話がとても興味を引くものだったのです。オンラインゲームってみなさんやったことがありますか?確かマイクロソフトのホームページでもボードゲームのようなソフトを提供していたと思います。でも、これからこの会社が手がけていこうとしているゲームはもっと複雑な、シナリオのあるもの、またはシミュレーションゲームの延長としてのオンラインゲームソフトです。

 「今年はオンラインゲーム元年」「来年はオンラインゲームの発展」「再来年はオンラインゲームの全盛」なのだそうです。そしてその後はサーバー型のオンラインゲームが広がってくるとの事。どうもイメージがわかないと思っていたら、社長が詳しく説明してくれました。オンラインゲームと言っても大抵は、internetに繋げて、ゲームの対戦相手を捜すだけ。結局は、コンピューターと対戦するか、ネットを通じて人間と対戦するかの違いだけである。しかしサーバー型となると全くゲームのあり方が変わるようだ。多数の人が一度にアクセスする放送型のゲームとなるらしい。PointCast等、プッシュ型の情報提供をするサイトがありますが、これのゲーム版と言うことなのでしょうか。具体的なイメージは、実施に商品が市場に出てくれば分かるでしょう。

 アメリカは既にオンラインゲームが相当普及しているとのこと。通信コストが全く違いますからねぇ。アメリカでは、1ヶ月間ずっとinternetにアクセスし続けても、プロバイダー料金、電話料金併せて20$程度で済む。両方とも定額制が普及していますから。しかし、日本では1日3時間ずつアクセスしても30,000円はかかるというのが、この社長の試算だ。(私の場合は、夜中に限れば10,000円以下だな。(^^ゞ)しかし規制緩和とともに、どんどんこのコストは下がるだろうし、コストが下がるのと比例してこのオンラインソフトも普及に弾みがつくのだろう。オンラインソフトはたくさんの人が利用していないと面白くない。対戦ゲームにしても、指定サイトにアクセスしても誰も対戦相手がいなければ、そのうち、諦めてしまうだろう。そう言った意味では自分だけではなく、ソフトを買う全ての人の通信コストが下がる必要があるのだ。

 こういったオンラインゲームが、通信の規制緩和とともに普及がすすむというのは、面白いですね。風が吹けば桶屋が儲かるなんて言いますが、経済はいろんなところで関係しあっています。それを人より先に見抜き、将来利益が上がるだろうと思うところに投資していく。これが株式投資の醍醐味なのかもしれませんよ。見抜くのがあまりに早すぎると、逆に頭を抱えることにもなりかねませんが・・・・。(^^ゞ


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