ポケモン・パニック

 本日は二つの大きな事件が報道された。一つは橋本首相が2兆円の所得税減税を実施すると表明したこと。そして、もう一つは昨日テレビ東京で放映されたポケットモンスターを見ていた子供のうち、全国で650人以上が、光過敏性てんかんで病院に運び込まれたと言うことだ。金融関係者にとっては、株式を500円以上引き上げ、円を一時125円にまで買い上げた、2兆円減税の方がインパクトは大きかったと思われるが、一般的にはポケモンのニュースにびっくりした人の方が多いのではないだろうか。しかし、こちらは株式市場に与える影響は限定的。放映したテレビ東京、制作した小学館プロは上場していない上、ポケットモンスターのゲームを制作販売している任天堂は100円安の12,500円に留まった。

 そうは言っても、ポケモンに興じるお子さんを持つ方には心配だろう。今やポケモンは子供達のほとんどが知っているゲームであり、ほとんどの子供達が見ているアニメである。視聴率は18%、約700万人が見ていたと報道されているが、時間帯を考えると、社会人がテレビを見ることが出来る時間ではない。対象は子供達に限られるわけで、小学生以下のほとんどが見ていたと行っても過言ではないだろう。それだけ、ポケモンはブームになっていたと言うことである。

 また、その中で700人前後が光過敏性てんかんになったと言うことはそれだけ熱中していたと言うことである。つまり、それだけ夢中になるような面白い番組であったと言うことだろう。

 こういった状況を引き起こさないためにはどうしたらよいのだろう。一番簡単なのは、子供が夢中になるような面白い番組を作らないことである。ブームと言うこと自体一種の催眠状態である。その中で刺激的な場面を放映したら、ある程度のパニックになるのは想定できる。これを引き起こさないためには、刺激的な場面を作らないことしか、テレビ局や制作現場の対応はないのではないだろうか。しかし、それが良いことなのか?

 群集心理や催眠といった精神分析、または脳波に関する研究は、まだまだこれからの領域である。今回の事件を機に、これらの分野への研究が進むことを期待したい。金融不安による取り付けも、こういった群集心理が作用していると思われるし、こういった分野の研究が進むことで、国民が安らかに生活が送れるようになることも可能になるのではないだろうか。


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