サッカー

 昨日のサッカーはすごかった。ワールドカップへの出場権をかけた日本とイランの試合である。サッカーにはあまり興味が無いが、さすがに昨日は試合開始からテレビをつけた。

 試合当初より日本優勢に試合が進む。シュートを打つ回数は日本の方が圧倒的に多いのである。しかしどうも私の目にはイランのほうが強いように見える。身長の差のせいか、ヘディングの競り合いになると負けてしまうのだ。日本は再三ゴールを脅かすがなかなか点が入らない。押し気味にゲームを進めているのに点が入らないときというのは、えてして簡単に点を取られて負けてしまうものである。これは、また負けかなと思ったが、中山がシュートを決めた。前半戦は1ー0で終了。

 後半戦が始まった途端にイランが1点を入れた。今まで1点しか取れなくて勝てなかったことが続いたことから、不安が頭をよぎる。続けざまにイランがシュートを決めた。2ー1。これで日本の負けは決まったと、テレビのチャンネルを変えた。まぁ、これで、オーストラリア戦で、また楽しめるじゃないか。

 しかし、経緯が気になる。再度テレビのチャンネルを、変えた途端に、城がヘディングシュートを決めた。間に合って良かった。2ー2で後半戦を終える。あとは延長戦。ドーハの悲劇と何度も伝えられたが、今回も延長戦で負けてしまうのか。そう思ってテレビを見ていたら、どうも、イランの選手の動きがおかしくなった。キーパーは肩をポールにぶつけ、左肩が上がらないようである。しかし、日本側も岡野が足を負傷したようである。解説者は、PKに持ち込めば勝てると連呼している。

 もう少しで延長戦も終了かと言うとき、その岡野がシュートを決めた。中田のシュートをキーパーがはじいたところに、岡野が飛び込んでいったのである。3ー2で日本の勝利。ワールドカップ行きが決定である。岡田監督も泣いていた。ロペスも泣いていた。私ももらい泣きである。

 それにしても、今回のイラン戦。どうも周りのほうが盛り上がっていたのではないか。テレビの解説者は全て、日本が勝った時に解説した人をそろえ、朝日テレビは小宮悦子をマレーシアに派遣した。彼女が観戦したときに、日本がブラジルに勝ったとの理由で。選手がゲンをかつぐのはわかるが、放送する側がゲンをかついでどうするのだろう。

 日本がワールドカップ出場を決めたことで、少しは来年度の景気も上向くかもしれない。長野オリンピックだけでは力不足だが、長野オリンピックもあるし、ワールドカップも日本が出場するとなると、衛星放送に加入しようかなとか、平面テレビを勝ってみようかなといった需用が出てくるだろう。まぁ、そのうち、ワールドカップの経済効果は何千億といった試算もどこかの経済研究所かから出てくるだろう。少しは、株価にもプラスだろう。そう思って、就寝したのである。




拓銀の破綻

 ところが朝、会社でクイックを見ていると、突然拓銀が破綻したとのニュースが流れてきた。(株式市場では"北択"と言うようだが、地元では"拓銀"と呼ばれているし、新聞報道などでも"拓銀"のほうが一般的なような気がする。) とうとう、金融システムの崩壊が始まったかと色めき立った。

 しかし、株式市場は寄り付きより先物は買い気配で始まり、値段が付いた後もどんどん値段を上げていく。最後はストップ高買い気配となった。また銀行株も空売りの買戻しだろうか。富士銀行などは買い気配で値段が付かない。そのほかにも、いくつかの銀行株がストップ高となった。拓銀の破綻に対する大蔵省や日銀の対応(日銀特融を実施して資金繰りには対応、コールもディフォルトさせず、預金は全額保護。)に安心感を持ったからなのか、単に悪材料出尽くしで、空売りの買戻しが入ったからなのか、はたまた明日の政府の経済対策を期待したからなのか。米国では、銀行の発行した優先株を全部、公的資金で買い取ると言った話が出ていたそうだが・・・。

 報道によると、「大手20行はつぶさないのでは?」との質問に、当局は「拓銀は海外業務から撤退しているし、大手ではない。」と言ったとか、言わないとか・・。おいおいおい。という事は、海外業務から撤退している金融機関は、危ないと言うことではないか。まぁ、経営が厳しいから海外業務から撤退すると言うことなのだろうが、逆に撤退することで、つぶしやすくなるとでも言いたげな・・。海外業務から撤退した金融機関はいくつかあるし、先日も某証券会社が海外業務からの撤退を発表したではないか。そういった形で、前に言ったことの正当性を貫こうとすると、逆に尾を引くのではないだろうか。  今回の破綻で気になることがある。拓銀の破綻は、債務超過によるものではない。実質的には債務超過なのかも知れないが、直接の原因は資金繰り。三洋証券の破綻をきっかけに資金繰りが逼迫。資金供給を続けてきた幹事証券の山一証券が経営不安の噂から、拓銀への資金供給が難しくなり、本日の資金繰りが付かなくなったと報道されている。つまり、これこそが、連鎖倒産。金融システムの崩壊ではないのか。

 株式市場は、これで全て終わりとでも言いたげに、乱舞していたが、果たしてそう楽観的になって良いものだろうか。まだまだ、金融システムが安定したとは言えないのかも知れない。


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