1200兆円 その2

 外資系証券会社の調査によると、1,200兆円の個人金融資産のうち、400兆円が都内に住む56万人の個人で占められているそうだ。つまり、外資系が日本の1,200兆円の個人金融資産を取り込もうとした場合、なにも全国に支店をもつ必要もなければ、全国に支店網をもつ銀行や証券会社を買収する必要もないわけだ。都内だけの勝負であれば、本店のみでも対応は可能だろう。競争力のある商品さえもっていれば、ある程度のシェアを取ることは十分に考えられる。

 この調査を行った外資系証券会社の調査部長も「想像した以上にごく一部の人に金融資産が集中していた」とコメントしている。そうすると、今まで銀行や証券会社との提携によって、日本でのプレゼンスを上げていこうと考えていた欧米の金融機関も、独自に業務を展開することを選択するようになるのではないだろうか。そして得意のマスマーケティングを展開することでブランド力を引き上げる動きがでてくるかもしれない。それでなくても、金融機関に対する欧米信仰は強い。

 日本の金融機関は今まで、イメージ戦略を採るのが苦手であった。ほとんどの金融機関が、親しみやすさのみを前面に押し出す戦略を採ってきたように思える。しかし、外資系は、親しみやすさよりも一つ上のイメージ戦略、いわゆるブランドを高めるような戦略を採ってくるだろう。そして、収益の上がらない小口の顧客に対しては敷居を高くし、収益の上がる大口の顧客が自社を選択するような商品戦略、イメージ戦略を採ってくると思う。こういった動きが顕著になったとき、果たして日本の金融機関は収益性という面で対抗できるのだろうか。




留守番電話

 拙宅の電話には留守録機能が付いている。自宅に帰って電話を見ると、大抵2つとか3つのメッセージが入っている。しかしそのほとんどが、セールスの電話か、何かの勧誘の電話だ。はっきり言って、この留守録機能、私の場合ほとんど役にたっていないのである。

 メッセージの録音にはマイクロテープを利用しているので、メッセージが入っている場合には、これを巻き戻して、メッセージを聞くことになる。再生のスイッチを入れると
「ボブべっくさんですか?」
「はい、ボブべっくです。ただいま外出しております。ご用のある方は・・・。」
「・・・・。」ガチャン
こういうメッセージになっているのは、勧誘かセールスの電話であろう。たまには、会社と名前を名乗って、是非一度会いたいとメッセージを入れてくる人もいるが、ごく僅かである。

 しかし、先日のメッセージには驚いた。
「私どもは○○のアンケートを実施しております。」 「はい、ボブべっくです。ただいま外出しております。ご用のある方は・・・。」
「第一問 〜〜に関しては、どのようにお考えですか次の名からお選び下さい。」
「・・・・・。」
「第二問 〜〜に関しては、どのようにお考えですか次の名からお選び下さい。」
「・・・・・。」
「第三問 〜〜に関しては、どのようにお考えですか次の名からお選び下さい。」
「・・・・・。」
延々とアンケートの質問を読み上げていくのだ。全く返事がないのにも関わらず。

 つまり、向こうもテープをそのままかけているのである。セールス電話もテープ録音、電話に出る方も留守録によるテープの声。なんか不気味ですよね。


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