ダイアナ妃

 ダイアナ妃が自動車事故で亡くなった。ダイアナ妃の過去の経歴や偉業に関してはテレビや他のサイトにお任せするとしよう。私には語るべき知識を持ち合わせていないのだ。しかし、事故の要因については、やはり一言言いたい。

 報道によると、交際を報じられていた大富豪と車に乗っているところを、報道カメラマンに追いかけられ、これから逃れようとしているときに起きた事故とのことだ。日本の写真週刊誌と同様に欧州でもタブロイド紙でのゴシップ記事が大人気で、この写真のために報道カメラマンは過剰な取材合戦を行っていたようだ。

 この事故が、マスコミの取材のあり方を考え直すきっかけになってくれればと思う。いくら、有名とはいえ、いくら英国のプリンセスだった人だとはいえ、一人の女性の私的な関係や生活の細部まで知る権利など誰にもないはずである。それなのに、マスコミは「国民の知る権利に答える」といった、大義名分をかさに、プラベートな部分にまでカメラのレンズを向けてきたのである。

 自由というのは、責任、義務を果たしてこそ、得られるものである。同様にマスコミが主張する言論の自由というのは、倫理を持った報道をしていて初めて、得られるものであると思うのである。倫理のかけらもないマスコミに対しては、読者が制裁を与えるべきではないかと思う。つまり、こういった過剰な取材が何故生まれるのかと言えば、それによって発行部数が伸びる、たくさんの読者が買ってくれるからである。写真週刊誌のような醜悪な雑誌が存在するのは、その国の国民の意識レベルが低いからであり、ゴシップ記事を載せる発行部数が伸びるタブロイド紙は、やはり、それを読む国民の意識レベルの低さを表しているのだろう。もっと、買う側、読む側が、過剰な取材を行って得られるくだらないゴシップ記事を載せた雑誌や、新聞を拒否していくことが、二度とこのような悲劇を起こさない事につながるのではないだろうか。

 ダイアナ妃の冥福をただただ祈るばかりです。


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