欧州旅行記 第七日目

 本日も、朝6時に起床。メールをチェックし、帰り支度をして、後輩の家を出る。フライトまで時間があるので、現法に荷物を置かせてもらう。朝御飯はその近くにある、マーク&スペンサーで、買うことにした。しかし、高い。サンドイッチ一個で2ポンド、約400円だ。しかし、美味だったので許すことにする。苺のフレッシュジュースも美味しかった。時間があまりないので今日は近くのセントポール寺院と大英博物館を回る計画とする。セントポール寺院までは会社から歩いてすぐだ。てくてくと歩いていると、でっかい丸い屋根が見えてきた。しかし入り口が開いていない。ここは8時から開館のハズだが・・。と壁づたいに歩いていると、表側に出てきた。最初に入り口だと思ったところは裏口だったようだ。表から、セントポール寺院の中に入る。屋根が高く荘厳な雰囲気が漂う。キリストの彫刻もドイツで見たもののような"ごてごてさ"が無く、シンプルですっきりしている。しかし、そんな中にも、キリストへの信仰の深さが見えてくるような作品だ。地下室にはいると、ここに眠っている偉人の棺とその生前の姿をかたどった彫刻が展示されていた。地下室を出てささやきの回廊に向かった。螺旋状の緩やかな階段で、ドームに設置されているギャラリーまで歩いて上ることが出来るのだ。傾斜が緩いし、大丈夫だろうと思ったが、それは間違いであった。階段が妙に長いのだ。上っているうちに、息が切れてきた。しかし、諦めるのはしゃくなのでそのまま上り続ける。膝が笑い始めた。ギャラリーに辿り着いたときには疲れ切ってベンチに座り込んでしまった。しかし、このギャラリーからは下から見えなかった、ドームの内側の模様が鮮明に見える。しばし時を忘れて幸せな気持ちに浸ったのでした。

 登るも地獄、降りるも地獄。階段を下りるときは、疲れが倍増する。折り際に多様な国からの観光客が登ってくるのとすれ違ったが、どうも、子供の方が息を切らしている。大人の方が平然と登っているのは何故だろう。どこの国も子供はだんだんと軟弱になっていくのだろうか。

 階段を下りきったときには、疲れ切って頭の中も真っ白になってしまった。礼拝堂の椅子に座っていたら。日本人らしき牧師さんが話しかけてきた。「日本からですか?」「はい。」「ドームの方には登られました。」「はい、疲れ切って休んでいるところです。」「ははは。そうですか。それでは、ごゆっくり。」優しそうな人柄で話しかけられると、疲れも多少癒される。それにしても、こんな大寺院の牧師さんにも日本人が進出しているんですねぇ。

 その後、大英博物館へ向かおうとしたが、疲れ切っていたことと、フライトまでの時間もそれほどないことから、近くのロンドン博物館ですますことにした。ここは美術館と言うよりは博物館。原始時代から現在に至るまでの様々な日常品が展示されている。それほど面白いものはなかったが、ロンドンの大火事を再現した展示物には、彼らが今後こういった大災害を起こすまいと心がけている様子が伝わってきた。

 ロンドン博物館を出て、会社に戻り、昼食を取った。現地法人の食堂でカツカレーをいただく。金曜日はカジュアルフライデーらしく、私が紛れ込んでも全然大丈夫であった。そこで、新人の時に一緒に研修を受けた同期に会った。4年ぶりであろうか。挨拶を交わし、カツカレーを食べ終わると、もうフライトの時間までは間近である。現地法人の人たちに挨拶をして、タクシーに乗り込みヒースロー空港に向かった。道すがら、運ちゃん、「ここが、コカインの密売人がたむろしているストリートだ。」「こちらは、アメリカの車も日本の車も高いんだ。」等と言った話を聞いた。空港では、バッグを預け、出国審査を行い、飛行機に乗り込んだ。飛行機の中では、夕食を食べて直ぐに眠りについてしまった。普段は、なかなか寝付けないのだが、よほど疲れ切っていたのだろう。目が覚めると成田まではあと3時間とのアナウンスがあった。それにしても、今回のフライトは良く揺れる。スチュワーデスは、梅雨前々の影響かもしれないと言っていたが、フライト中に、何度もシートベルト着用のランプが灯った。一回などは朝食時間の最中で、コーヒーをカップ一杯についでもらった直後だったので、テーブルの上やトレイの上にコーヒーが飛び散ってしまった。窓の外を見ると雨粒が流れてくるのが分かる。どうやら、東京も雨のようだ。

 成田に到着し、入国手続きをして、スカイライナー、京浜東北線と乗り継いで自宅に辿り着いた。それにしても、私がいない間の日本は猛暑が続いていたらしい。私が到着した途端にこの雨である。ドイツでもイギリスでも雨にたたられた。私は雨男ではないと思っていたのだが・・・。

 今回の旅行では当社のロンドン現法のみなさん(同期、後輩、現地人二人)にはとてもお世話になった。感謝したい。

 前回の訪米記では画像もたくさんアップしたのだが、重いという感想が結構あったので、今回は画像はほとんどアップしておりません。後ほど、整理して、違うページに画像特集と言うことでアップしたいと思います。お楽しみに。(^O^)  それでは、ここまで、お読みいただいて有り難うございました。明日からは、また、通常のエッセイコーナーでお会いしましょう。


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