欧州旅行記 第五日目

 朝6時に起床、後輩と一緒に、会社に向かった。今日は一日、企業訪問の予定なのである。夏休み中ではあるが、同期にお願いして、同行させて貰うことにしたのだ。一応その予定で、スーツも持参してきた。会社でメールをチェックしていると、通信関係の友人から電話が入った。電話のモデムジャックをアメリカ仕様からイギリス仕様に変換するアダプターはディクソンズという電気屋さんに売っているよとのこと。非常に有り難かったです。どーもありがとーー!

 昼近くになって、同期と後輩、私の三人で現地の某英国系証券会社に向かう。会社を出て、ブラックキャブに乗り込んだ。結構広くて乗り心地がよい。その上、折り畳みの椅子がついており、向かい合って座ることが出来る。今日の予定について確認し、直近の動向について教えて貰っているうちに、目的地に着いた。会社に入り、ジュースを飲みながら待っていると、セールス担当の女性が出てきた。日本人の女性だが、こちらに住んで3年、それ以前も違う米系の証券会社に在籍していたそうだ。この女性に連れられランチルーム(と言うのかなぁ・・・。)に入り、小型の医薬品専門のセールスマンに話を聞いた。セールスマンと言っても日本で言うアナリストみたいなものだ。専門の業種を担当し、顧客の担当は持っていない。フランス料理のコースを食べながら、話を聞いたのだが、ワインを飲みながらなので、どうも、理解が進まない。それでも、欧州の医療制度について色々と質問し、理解を深めることが出来た。

 時間になったので、ここを出て、セガワールドの持株会社であるトラカルディという会社に向かった。他にも色々と賃貸物件を持っているようだが、収入のほとんどはセガワールドの入場料と出版物によるものらしい。トラカルディの本社に着き、中にはいると、IR担当役員と財務担当役員が出てきた。両名とも声がこもって話が聞きづらい。我慢して何とか聞いていると、新しい経営陣が決まらないと、今後の方針については何とも言えないと言うような内容のことを話していた。おいおいおいおいおい(^^ゞ

 1時間ほど話を聞いたが、現在時点ではあまり魅力的な投資対象ではないようだ。新しい経営陣が決まり、セガワールドの全国展開などを進めることが出来るようになれば、投資を検討しても良いのだろう。詳しい説明を有りがとうと握手をして分かれ、次の訪問会社に向かおうとした。しかし、ここで、トラブル発生。次に訪問予定の会社は、ザウルスのようなミニコンピューターを製造している会社なのだが、会社のトップから、今の時期に投資家と会ってはいけないと直々に禁止命令が出たというのだ。本来、今の時期は決算発表前で、投資家との面談は控えるのが普通なのだ。しかし、ここのIR担当の人が、日本の投資家が話を聞きたいのなら、話せる範囲内でお話ししましょうとアポを取り付けることが出来たのだ。しかし、これに経営トップが『待った』をかけたということらしい。ま、しょうがない。

 ここで、英系証券会社の女性セールスマンと別れ、ボンドストリート、リージェントストリート、ピカデリーサーカスと散歩した。観光地巡りも良いが、こうやって、街中を徘徊するのも楽しい。あれは何?この店は何を売っているの?色々と同期に聞きながら、1時間ほどぶらぶらと歩いて、ピカデリーサーカスのエロスの像の前に辿り着いた。観光客らしき人達がエロスの像の下にたくさん集まっている。昨日までは雨が降ったりやんだりだったが、今日は本当に天気がよい。背広ではちょっと暑いくらいだ。歩いているうちに、先ほど訪問したトラカルディが運営しているセガワールドの前に着いた。せっかくだから市場調査してみようと、入場チケットを購入して中に入り込んだ。米国のゲームワークのような、ゲームセンターの大型判みたいなものかと思っていたのだが、全然規模が違う。どちらかというと、ナムコワンダーエッグのような感じだろうか。通常のゲーム以外にアトラクションがたくさんあるのだ。お化け屋敷のようなアトラクションや、シューティングを混ぜたような冒険型のアトラクションの入り口には数十人が順番待ちの列を作っていた。あまり時間がないので、アトラクションに入るのはやめにして、セガワールドを出た。ここで、同期後輩とは一端別れ、私は隣にある、ロックサーカスに入ることにした。

 ロックサーカスはロックスターの蝋人形館である。入り口には、『全部見るには、1時間以上かかるよ』と書かれてあったが、実はあまり期待しないで入ったのだ。蝋人形というと、あまり似ていないと言うイメージを持っていたからだ。しかし、中に入ってみて驚いた。まず入り口でヘッドフォンを貰うのだが、これを装着すると懐かしい音楽が次々に聞こえてくる。それぞれの蝋人形の前にたつと、そのスターの代表曲が流れてくるのだ。そして、蝋人形が本人にそっくりなのである。ビートルズやストーンズ、クラプトン、ジミヘンドリックス・・・・。一つ一つの蝋人形の前でたたずんでしまう。写真を撮りまくった。その後、映画館のような所に誘導された。ま、普通に昔のフィルムを見せられるのかなと思ったが、全然違う。凝っているのだ。フィルムと蝋人形、そして、レーザー光線などのライティングを美味く組み合わせて、見るものを飽きさせない演出が施されているのだ。フィルムでプレイヤーが歌っていたかと思うと、その横に蝋人形がせり出してきて、音楽にあわせて、体を動かすのだ。ブルーススプリングティーンが出てきて手を振り上げて歌ったり、マドンナの蝋人形が出てきたり・・・。そして、音楽に合わせての体の動きがちゃんとリズムにあっているのだ。日本のジャリタレの口パクよりずっと、リズムに合っている。25分間、本当に楽しむことが出来た。劇場の外には売店があり、ロックサーカスのロゴの入ったキャラクター商品や、ロックスターの写真、パンフレットなどが売られていた。涙ものの商品がたくさんあった。あれも、これもと買っていたら、すぐに50ポンドになってしまった。

 ロックサーカスを出て、会社に戻り、メールをチェック、そして、後輩と二人で夕食を食べに、チョークファームに向かった。ここのベルゴというベルギー料理の店は結構美味しいらしい。店に入り、フルーツビールを頼み、ムール貝を焼いたものや、アスパラガス、ロブスター、サラダなどを食べた。これが結構美味しい。日本人好みの味ではないだろうか。ムール貝はニンニクが効いているし、ロブスターもただ焼いただけではなく、うっすらと、ニンニクの味がする。フルーツビールもピーチ、ストロベリーとカクテルのような味わいで楽しむことが出来た。本当におすすめのお店です。英国に来ることがあれば是非みなさんも、チョークファーム駅のすぐ近くにあるベルゴを訊ねると良いと思います。近くの売店でベルゴに行きたいのだがと言うと場所を教えてくれます。

 夕食に満足した私と後輩は、後輩の自宅に向かい、一服した後、眠りについたのでした。


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