欧州旅行記 第三日目

 今日は目が覚めると午前6時であった。早速パソコンを起動して、プロバイダーへのアクセスを試みるがやはり駄目である。ジャックをよく見てみると、導線の数が私の持ってきたものが二本なのに対し、ホテルの電話側は4本である。やはり、ジャックをこちらの仕様のものにしないと駄目なのであろう。本日早速、買いに行かなければならない。しかし、ミュンヘンではちゃんとつながったんだけどなぁ。

 7時になったのでシャワーを浴びて朝食を食べに地下のレストランに入った。狭いレストランなのでどこに何があるか分からない。席で待てど暮らせど、店員がやってこないので、「ここはセルフシステムか?」と聞くと「そうだ。」と言う。最初に言ってくれればいいのに・・・。自分でフランスパンの切り身を二枚とハム、牛乳、バナナ、コーンフレークみたいなものを皿にとりわけた。バナナなんて食べるのは久しぶりである。コーンフレークみたいなものが、それなりの味付けがされていて。なかなか美味しかった。しかし、ハムはいまいちである。

 本日はフランクフルト市内観光とライン川下りの二つのオプショナルツアーを申し込んである。しかし集合時間にはまだ早い。そこで、歩いて、町の中心部に向かった。ゲーテ像やベートーベン像などを見物し、写真を撮る。ストリートを歩いているとフルーツ屋さんがあった。店先にフレッシュジュースを売っている。パラダイスとかサンライズなどの名前が付いていたが、要は二つ以上の果物のミックスジュースである。パラダイスというのを一杯頼んだ。これがなかなか美味である。ドイツに来て初めて巡り会った、うまい食い物(飲み物)である。これを飲みながら、ツアーの集合場所に向かった。

 集合場所は地図ではよく分からなかったが近くをうろうろしていると、観光ツアーの店があり、数人がたむろしていた。「ここか?」と訊ねると、「そうだ。」と言う。申し込みを済ませて、待合所で待っていると、十時になり、さぁ出発となった。日本人は私一人である。ガイドの人が、「英語でしゃべろうか、それともスペイン語、ドイツ語、何が良いか?」と聞くが、「日本語!」とは言えなかったので、だまっていた。当然英語でガイドが始まった。2時間のツアーなのでそんなに遠くにはいけない。レーマーやニコライ教会などを巡回し、レーマー広場(?)でいったん休憩となった。さぁ、ばしばし写真を撮るぞと思ったら、またもや、バッテリーがないとの表示。悲しくなってしまった。しょうがないので近くの写真屋さんで使い捨てカメラを二つ購入した。その後、バスに乗り込もうとしたらガイドの人が、おまえはどこから来たのだと聞く。日本だと答えると、やっぱりか、おまえのアクセントは日本語のアクセントだもんなぁとのこと。ほっといてくれ。

 朝の集合場所に戻り解散となる。まずは昼飯を食いたい。久しぶりに中華でも食うかと、中華料理屋に入った。ビールと焼売、牛肉の炒め煮を頼む。中華にしてはあっさりして美味しかった。1時間ほどかけてゆっくり昼食をとった後、繁華街へ行く。目的は、モデムジャックを購入することである。どうも、欧州のモデムジャックは、日本製とは違うようなので、これを探したいのだ。とにかく、メールをチェックし、niftyにアクセスできないと、禁断症状が出てしまう。中華料理屋で、近くにパソコンショップはないかと訊ねていたので、行き先はだいたい見当がつく。しかし辿り着いた店で、カードモデムと電話をつなぐモデムジャックはないかと訊ねると、「うちには置いてない。専門店へ行け。」という。その場所を聞いて、一目散に向かう。しかしその店でも置いていない。欧州には置いていないから改造しないと駄目らしい。何軒回ったか分からない。とにかくパソコンショップばかり徘徊したが、全部駄目。そうこうしているうちに、ライン川下りツアーの集合時間が迫ってきた。間に合わないかもしれないと急いで、Uバーンに乗り込み、集合場所に向かった。駅に着いてから集合場所までは、全速力で走った。こんなに走ったのは何年ぶりだろう。汗が噴き出してくる。せっかく金を出しているのだから、間に合わなかったら損だ。集合場所にたどり着いたときには、少し遅刻であったが、ガイドさんが待っていてくれた。

 バスに乗り込んでライン川下りツアーのスタートである。参加者はメキシコから来た家族(全部で8人くらいの大家族、ただし、お父さんらしき人はいなかった。)と中国人女性、そして私である。またしても日本人は私だけ。ま、下手に日本人と同席するよりは気楽かもしれない。バスは参加者全員が乗り込むとぎゅうぎゅう詰めのライトバンを少し大きくしたような車だった。ガイドがマイクを片手にしゃべりながら運転をする。運転に集中してほしいと思うのだが、そうもいかないようだ。乗ってる間中事故らないかと冷や冷やものであった。まずはライン川に沿って、下流までドライブである。最初のうちは、ブドウ園ばかりで、何も面白くないが終盤になって、アインシュタイン城などの城が見えてきた。途中で、一端車を降りて船に乗り込む。バスから見るアインシュタイン城よりも、船から見るアインシュタイン城の方が迫力があった。その他にも川辺にはたくさんの城が見える。使い捨てカメラで撮りまくった。デジタルカメラが使えれば、今ここで写真をアップ出来るのにと後悔しながら・・・。

 その後船を下り、夕食を食べる。何料理屋さんなのだろう。最初に野菜スープが出てきて、その後にチキンの煮込みとポテトが出てきた。バスの中で隣に座っていた中国女性と英語で会話しながら、ビールを飲み、チキンを食べた。その中国女性は貿易関係の仕事をしているらしい。今回は1ヶ月以上のバカンスだが、半分仕事のようなものだと言っていた。英語と広東語はしゃべれるが、ドイツ語も少々話せるとのこと。俺は一昨日前にミュンヘンに来て昨日フランクフルトに来たんだというと、「ミュンヘンではなく、ミューニックとこちらでは発音するんだ。」と教えられた。中国人に英語を教わるなんて、すごい経験かもしれない。夕食が終わり、再度バスに乗り込みフランクフルトへ向かった。フランクフルト駅に着くと、もう8時であった。

 ホテルに帰る時間でもないなと思い、ライブハウスへ行くことにした。ガイドブックに載っているジャズクラブを探す。なかなか見つからない。日本で買ったガイドブックだが、ちょっと地図が古いようだ。道路が全然違うのだ。30分ほど迷いながらもようやく辿り着いたと思ったら、店が開いていない。ガイドブックを読み直したら、月曜日は休みのこと。しょうがない、別な店に向かう。ジャズクナイペと言うお店だ。これも随分迷ったがようやく辿り着いた。店に入って、バーボンの水割りを頼み、ライブが始まるのを待つ。しかしいつまでたっても始まらない。いつから始まるんだと店のおばさんに聞くと、今日はライブはないとのこと。ついていない日というのは、こういうものであろうか。

 今日は疲れ切ったので、これ以上粘るのは辞めて、ホテルに戻った。明日は、ロンドンだ。飛行機に遅れなければよいが・・・。


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