読書備忘録 チーズは何処へ消えた?

 300万部以上売れた超ベストセラー。今頃読んでいるというのは、恥ずかしいのですが、本屋で何冊か本を購入した際に、薄っぺらい本だったのでついでに買った本。

 数時間で読めるとの解説だが、何の事はない。数分で読み終えるくらいにボリュームは少ない。で、その少ないボリュームの中に、どれだけ素晴らしい教訓がちりばめられているのだろうか。

 その筋は以下の通り。
迷路の中で生活している2匹のネズミと2人の小人。運良く、迷路の中でおいしいチーズを発見できた。そのチーズがある日突然消えるのである。ネズミたちは他のチーズを探しに旅へ。そして、小人たちは、右往左往するが消えたチーズはいつかまた同じ場所に戻ってくるはずだと確信し、他のチーズを探しに行くためのスタートが遅れた。小人の一人、ホー君は途中でこのままではイケナイと気がつき、変化を素直に受け止めること。変化に適応しようなどの教訓を自ら発見しつつ、新しいチーズを見つけることに成功した。

 多くの企業が研修目的でどっと購入するそうだ。確かに、企業の教育担当者の好きそうな教訓である。いつまでもなくなったチーズ(お金、愛情、成功)を憂いていないで、新しいチーズを求めて動き出せ!という教訓は、企業にとっては、大切な事であろう。環境の変化に対応できない企業は滅びていく。過去の成功だけで食べていける期間はとても短い。過去の成功に安住せずに新たな成功を求めて、チャレンジしていかなければ、企業の存続は危ういのである。

 ただ、この本を採用する企業の教育担当者には別の思惑もあるのではないか。つまり、「あなたがクビになったとしても、それを悲しんで会社に文句を言っても、何も変わらないよ。だから、とっとと新しい会社を見つけなさい。」そういう意図が見え見えの薄っぺらいストーリーのような気がするのだが、如何なものだろうか。ちなみに、私だったら、チーズがなくなる前に、見切りをつけて、新しいチーズを捜しに行きますけどね。残り少ないチーズを食べながら。



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