レ・ミゼラブル

 今日はミュージカルを見にブロードウェイへ。FOSSEかシカゴを見ようと思ったのだが、劇場に来てみると、いずれも月曜日はお休み。仕方なく、レ・ミゼラブルをやっている、インペリアル劇場へ。このミュージカルは、大人気のミュージカルなのでチケットを取るのは無理と思っていたが、駄目もとで「今日のチケットはありますか?」と聞いてみた。すると「あるよ。いくらのチケットが良いんだ?」とのこと。当然80$、一番高いチケットを購入。席に着いてみると、前から6列目の中央右より。なかなか良い席である。

 劇場で無料で配られる、小さめのパンフレットには普通、他のミュージカルの広告と、配役、そして歌われる歌の順番程度しか書いていない。しかしこのミュージカルの場合は、ちょっと違った。ストーリーの解説が事細かになされているのだ。「オペラ座の怪人」の時のように、日本語の解説も加えられているわけではないが、びっちり3ページに渡って解説されている。これだけびっちり解説が加えられていると、逆に不安になる。ちゃんと理解して楽しむことが出来るのだろうかと。

 しかし、心配は無用。発声がしっかりしている役者ばかりなので、何と言ってるかが分かりやすい。フットルースやサタデイナイトフィーバーのような青春もののミュージカルとは一線を画しているのだ。その上、この物語は昔、子供の頃「ああ無情」という題で翻訳されたものを読んだことがある。ミュージカルを見ているうちに、ああそういえばこういう展開だったなと、少しずつ思い出すことが出来た。

 驚いたのは、数人の子役が物語の展開上重要なポジションを占め、それを各子役が見事に果たしている点だ。ミス・サイゴンの時には、一人の子役が出てきたが、セリフは無し。歌も無し。ただ、舞台に存在しているだけだった。それでもアンコールの時には大きな拍手を会場から受けていた。しかし、レ・ミゼラブルの場合は違う。ある子役は1曲、ソロで歌いきった。また別の子役は、大人に混じって歌の掛け合い、会場の笑いを誘ったかと思えば、最後は弾丸に倒れ、観客の涙を誘う。大人と同等、いや大人以上の活躍なのだ。私も、その子役が死んでしまったときには思わず泣いてしまいました。

 各役者の歌も素晴らしかった。オペラ並の声量。しかし、小さく囁くように歌う時には、倍音だけが会場に響き渡る。まるでミュージカルの世界の中で一番歌が上手い役者をそろえたかのように、各役者とも素晴らしい歌を披露してくれた。特にエポニン役のジェシカという役者は素晴らしかった。歌も上手い。非常に難しい歌の掛け合いも難なくこなし、声量も豊か。演技力も素晴らしい。コセットに惹かれていくマリウスへの恋心を、上手く演じきっていただけではなく、彼女が銃弾に倒れたときには、会場中が涙に咽いでいました。恥ずかしながら私の目にも涙が。。。。

 3時間以上の長い公演だったのですが、気が付いたときには、既にアンコール。全然、長さを感じさせない素晴らしいミュージカルでした。アンコールでは、スタンディングオベイション。会場からは、惜しみない拍手が送られたのでした。



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