ベン・E・キング

 部屋の電気が切れたままだと、これからの生活に支障が出る。テレビが付かないのは別に構わないが、クーラーは少々困りもの。そしてパソコンが使えないのが一番困るのだ。メールのチェックは出来ないし、仕事に支障が出る。トイレの電気だってつかないのだ。

 不動産屋に電話して事情を話し、何とかしてくれと依頼。「今日か明日中には業者が伺うと思います。」との回答だったが、帰宅したときには既に修理されていた。何と早い対応だろう。感心感心。日本では考えられないな。

 今日は、ブルーノートでベン・E・キングのコンサートがあるのだ。彼の「スタンド・バイ・ミー」を聞いたことのない人はまず、いないのではないだろうか。ショーは9時からだが、人気のあるミュージシャンの場合には、席が埋まるのも早い。少々早めにブルーノートに入って、夕食。しかし、ここは相変わらず日本人の客が多い。ベン・E・キングのように世界的に有名なミュージシャンでも、それは変わらないようだ。確かにブルーノートは席が狭いので、腹回りのでかい外人達にとっては、音楽を聴くのに快適な環境ではないのかもしれない。

 9時過ぎに、ショーはスタート。ビッグバンドの演奏が始まる。まだベン・E・キングは登場しない。サックス、トロンボーン、ペットと順番にソロを演奏。二曲目の「ハーレム」と言う曲のサックスは素晴らしかった。微妙なビブラートと、ちょっと歪んだサックスの音色が悩ましい雰囲気を醸し出している。そのビッグバンドが3曲ほど演奏。その後「ブルーノートには初登場!ベン・E・キング」とのアナウンスが入り。会場内は割れんばかりの大拍手。それまでビッグバンドに与えられていた拍手とは段違いである。やはり、みんな目的はベン・E・キングなのである。

 そのベン・E・キング。思ったよりも背が低い。そして顔は猿顔で頭はパンチ。思わず北島三郎を思いだしてしまった。ベン・E・キングはブルース界のサブちゃんなのである。

 失礼な話だが、思ったよりも歌が上手い。ブルースでは必要不可欠なハスキーボイスだけで生きてきたのかと思いきや、それだけではないのである。低音も格好良い。囁くように歌い、ここぞと言うところのみ、声を張り上げる。客席からの問いかけにも、素直に応じる。ある客が「○○を演奏して〜!」と声を上げたところ、「後で演奏するよ。それにしても、この曲を知っているなんて、若いのに、本当のファンなんだね。」と応じる。

 そして、当然「スタンド・バイ・ミー」も演奏。淡々と歌うベン・E・キング。感情を抑えた歌い方が、いっそうこの曲を盛り上げる。感動。生でこの歌を聴けることが出来るなんて。

 ショーが終了しても拍手は鳴りやまない。ベン・E・キングは何度も何度もお辞儀をして、拍手に答える。いったんステージを降りたものの拍手が鳴りやまないので、再度ステージに戻って拍手に答え、そして控え室に消えていったのでした。



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