SWEET BASIL その2

 月曜日は、ビッグバンドの日。ビレッジ・バンガードは毎週月曜日に、ビッグ・バンドのショーが予定されている。アパート近くのGARAGEというレストランでも、月曜日はビッグバンドが出演する。そして、このSWEET BASILも、月曜日はビッグバンドの日なのです。ちなみに、イリジウムというレス・ポールが経営するライブハウスでは、月曜日にこのレス・ポール(ギタリスト。この人の名前がそのままギターの名前になっているくらいに有名な人。ジェフベックもこの人の影響を受けています。特に「悲しみの恋人達」という曲では、レスポールが多用したフレーズが多く出てきます。)が登場します。月曜日というのは、ライブハウスの業界にとって何か重要な事でもあるのでしょうかね。単に、月曜日は客が入らないから、豪華な出演者で客を集めようとしているだけなのかもしれませんけど。

 ちなみに、こちらには、ハッピー・アワーという制度があります。お店によってその制度の内容は違いますが、要は、夕方5〜7時くらいにお店に来れば、ドリンクが半額になったり、または相当なディスカウントになるというような制度。これも、客が入らない時間に、なんとか客を集めようとするレストランの、アイディアだとのこと。

 そんな訳で、雨も降り出したし、今日はSWEET BASILでビッグバンドの演奏を聞くことにした。まずは近くのレストランで夕食。昨日食べれなかったステーキを注文する。テーブルにステーキが運び込まれるときにはいつも、「こんなにでかいステーキを食べられるのだろうか」と不安になるのだが、ステーキの場合は何故か全部平らげてしまう。まぁ、日本のステーキと違って、脂身が少ないですから大丈夫でしょう。

 ステーキを食べた後は、SWEET BASILへ。テーブルの中央には日本人の団体客。それも若い男性が十数人。それに女性が一人。みんなカメラを抱えて、ステージを撮しまくっている。

 端の方の灰皿の置かれたテーブルに座り、カクテルを頼んで一休み。ステージでは、出演者が、マイクの調整、ドラムのセッティング、管楽器の音調整と、ショーの準備に余念がない。ステージ前の、音あわせの時の緊張感って、結構好きなんです。

 そうこうしているうちに、ショーがスタート。パーカッションが二人、ドラムが一人とリズム隊が分厚い。特に、後ろでパーカッションを担当しているおじいさんは、にこにこしながら、楽しそうにパーカッションを叩いている。ちょっとリズムがずれたり、キメを外したりしているのですが、それはご愛敬。楽しそうに演奏しています。ギターのお爺ちゃんも、地味にカッティング。派手なギターソロはないけれども、ほのぼのとした演奏を披露。

 全体的に見て、演奏は今ひとつ。アンサンブルがバラバラで、キメがキメになっていなかったり、ショーの後半から出てきた黒人女性のボーカルも声量が今ひとつで迫力に欠ける。ミュージカルを見過ぎたせいでしょうか。ミュージカルの演奏に比べ、どうも見劣りしてしまうんですよね〜。まぁ、ミュージカルの場合、毎日同じ曲を演奏。それに比べ、ライブハウスの場合は、「今日は何を演奏しようか〜」てな感じですから、アンサンブルに差があるのは当然なのかもしれません。その分、ペットやサックスのソロを楽しむのが通の楽しみ方なのでしょう。

 演奏は今ひとつながら、ほのぼのとした演奏に満足して帰宅。でも、本当は、ロックアーティストのでかいコンサートに行きたいんですよね〜。ところがチケットマスターやウェブチューンを検索しても、NY市内でのコンサートってほとんどないんですよ。マジソンスクウェアガーデンでスプリングスティーンのコンサートがある程度。しかし、これはチケット発売時点ですぐにソールドアウトとのこと。後は、ジョーンズビーチとかフィラデルフィアの野外ステージ、イーストラザフォードのスポーツ複合施設に隣接したアリーナなど、どこも、NYからは2〜3時間はかかるような田舎でのコンサートばかり。後で聞いたら「夏は、ほとんど野外ステージでのコンサートばかりだよ。だからNY市内でのコンサートは、マジソンスクウェアガーデンかセントラルパークくらい。後は全部、ビーチかアリーナでのコンサートだなぁ。冬はNY市内でたくさんコンサートがあるんだけどね。」とのこと。そうだったのかぁ。。。。



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